障害者雇用の現状
2024-08-20 16:28:14

障害者雇用の方針変化と企業が直面する課題を探る

障害者雇用の方針変化と企業が直面する課題を探る



総合人材サービスのパーソルグループ傘下のパーソルダイバース株式会社が実施した「障害者雇用方針の変化と展望に関する調査」の結果をこちらでお伝えします。本調査は、企業の障害者雇用に関する動向や考え方の変化を明らかにすることを目的とし、2024年から段階的に引き上げられる法定雇用率に伴い、企業が何を重視しているかを反映しています。

1. 障害者雇用方針の変化


調査によれば、現在の障害者雇用においては70.8%の企業が「法令順守」を重視しているのに対し、将来的には25.3%の企業が「自社の収益業務に貢献する」という方針へとシフトする意向を示しています。この転換は、法的側面だけでなく、企業戦略の一環としての位置付けが進んでいることを示しています。

2. 採用目的別の実態


調査全体では、法令遵守を目的とした雇用が8割を占め、収益業務に貢献する人材の採用が求められています。一方で、ユーティリティ業務や社会活動等に貢献する人材の雇用割合は2割ほどであり、企業の直接的利益につながりにくい状況があるため、これらの目的での雇用比率が低いことが現状です。

3. 求められる資質や配慮事項


自社の収益業務に貢献する障害者に対しては職務遂行能力やスキルが求められ、34.3%の企業が「配慮は最小限で一般社員と同じ環境で働けること」を重視しています。一方、ユーティリティ業務では精神面や体調の安定性を重視する企業が多く、53.4%が配慮を求める意向を示しています。

4. DEI施策との関連性


DEI(Diversity, Equity & Inclusion)施策と障害者雇用施策が連動する企業は59.0%に達しており、こうした企業は障害者雇用を単なる義務としてではなく、本業への貢献戦略として捉えています。これにより、法令遵守だけでなく、企業が持続可能な成長を考える動きが見えてきます。企業は多様性を促進し、障害者雇用の重要性を理解しつつあります。

5. 法定雇用率への取り組み


直近の法定雇用率の達成状況については、現在の2.5%に対して未達成の企業が47.8%であり、2026年には2.7%への引き上げが予測されていますが、59.5%の企業が「達成は困難」と回答しています。このため、企業は障害者採用の環境や待遇を見直し、長期的な戦略を構築する必要があります。

結論


今回の調査結果から、企業の障害者雇用方針は単なる法的義務に留まらず、企業活動の中心に位置付けられるようになりつつあることが明らかになりました。今後は、より多くの企業が障害者を「企業活動を担う人材」として捉え、持続可能な成長を目指した取り組みを進めていくことが期待されます。調査に協力した企業の取り組みは、他の企業にとっても良いモデルとなることでしょう。


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会社名
パーソルダイバース株式会社
住所
東京都港区港南1-7-18 A-PLACE品川東 6F
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