千葉大学が挑むISO14001内部監査
千葉大学が環境マネジメントシステムにおける国際的な標準であるISO14001の内部監査を行いました。今秋、80名の学生と87名の教職員が協力し、4つのキャンパスで136ヶ所の研究室などを対象にした取り組みが実施されました。この活動は、環境への意識を高めるとともに、実践的な学びの場を提供するものです。
ISO14001と千葉大学の取り組み
千葉大学は2004年度にISO14001を取得し、環境に配慮した組織運営を推進しています。毎年行われる内部監査は、環境マネジメントの実施状況を確認する重要な機会です。今年度で22回目となるこの監査では、学生にとっても貴重な経験となります。学生委員会に所属する者たちは、授業や実習を通じて監査の知識を身につけ、実際の監査に監査員として関わることで教育の一環として位置付けられています。
2025年度内部監査の概要
- - 実施日: 9月24日、25日、29日、30日
- - 実施場所: 西千葉、松戸、柏の葉、亥鼻の4キャンパス
- - 監査対象: 研究室、実験室、事務室など136ヶ所
- - 参加者数: 学生80名、教職員87名の計167名
監査は学生と教職員でチームを組み、各チームが複数の箇所を担当します。学生監査員は、環境ISO学生委員会に属し、教育課程においてISOや環境マネジメントについて学んだ2~3年生です。一方、教職員は専門的な研修を受けた者です。
内部監査では、インタビューを通じて省エネや省資源の取り組み状況を確認し、化学薬品や高圧ガスの管理状況、廃棄物処理法や環境関連法規の遵守状況を点検します。
学生の積極的な関与
今回の監査に参加した学生委員会では、教職員と対等に監査を実施するのみならず、監査の計画や報告書の作成、監査対象の選定など幅広い役割を担っています。理学部の林大輔さん、文学部の郷原るりさんは、内部監査の統括を務め、多くのデータをもとに監査対象を選定し、スムーズな進行を助けました。「半年以上の準備を通じて、多様なスキルが求められることを実感しました」と述べています。
環境ISO学生委員会の役割
千葉大学環境ISO学生委員会は、2003年に設立され、学生自身の手で環境マネジメントシステムを運用することを目指しています。毎年約200名の学生がこの委員会に所属し、多岐にわたる活動を展開。内部監査をはじめ、地域社会への環境教育活動や、エネルギーの効率的な利用に関するプロジェクトにも携わっています。
最近では、企業と連携したSDGs達成に向けた取り組みも進めています。2009年にはNPO法人格も取得し、地域の里山保全活動や環境教育を行っています。
まとめ
千葉大学のISO14001内部監査は、学生が環境マネジメントに参加し、実践的な知識を学ぶ貴重な機会です。これを通じて、学生たちが持続可能な未来の意識を高め、地域社会への貢献を果たす第を期待しています。