金価格の調整局面でも見えた底堅い需要の実態とは
金価格の調整局面でも見えた底堅い需要の実態とは
金に関する国際組織であるワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は、最新の報告書「ゴールド・デマンド・トレンド2026年第2四半期」を通じて、金の需要が調整局面にもかかわらず一定の強さを持っていることを発表しました。この報告によれば、今年上半期の金の総需要は前年同期比で2%の増加が見られ、全体で2,522トンに達しました。これに伴う金額は約3,800億米ドルに達し、金の需要は依然として堅調に推移しています。
具体的には、第2四半期の金ETF及び金地金・金貨への投資は合計262トンとなりましたが、金価格が前四半期と比較して8%下がったため、その勢いはやや減少傾向にあります。特に金ETFでは45トンの流出が記録され、全体の投資需要に影響を及ぼしました。それでも、上半期での金ETF需要は18トンの流入を記録しており、依然としてわずかなプラスを維持しています。さらに、金地金・金貨への需要は307トンと前年同期比でわずかに減少したものの、金額ベースでは前年同期比34%の増加を示し、底堅い需要が継続しています。
日本市場においては、2025年第2四半期以来、1年ぶりに金の需要がマイナスとなりましたが、アジアからのOTC需要は一定の支持を受け、全体では327トンに達しました。
また、中央銀行や公的機関による金の準備購入は前年同期比で62%の増加を見せたものの、年間を通じては345トンに留まり、ここ数年での高水準には達しない結果となっています。しかし、WGCの調査からは、回答した中央銀行の45%が今後12ヶ月間で金準備を増加させる意向を示しており、金の重要性は依然として高いことが示唆されます。
金の宝飾品需要は金価格上昇の影響で前年同期比17%の減少、287トンとなりましたが、金額ベースでは前年同期比22%増の860億米ドルとなり、資産保有手段としての金の選好が強いことがわかります。特に、日本では25%の減少が見られました。
第2四半期の金の供給量は1,269トンで、鉱山生産が前年同期比で2%の増加を見せる一方で、リサイクルは6%の減少がありました。このことから、ワールド・ゴールド・カウンシルの代表、戸田淳氏は「米国によるイラン攻撃を境に、金価格上昇の主因であった米国金融緩和への期待が後退し、金ETF市場では流出が見られた」とコメントしています。
投資家たちの動向を見れば、WGCが7月に東京で開催した金セミナーでは約60社から100名の機関投資家が参加し、「年初から金価格の下落があったため、一部売却したが、再び買い増している」とコメントする声が聞かれています。これによって、金の投資機会が中長期的に見直されている様子が伺えます。
今後、2026年下半期には投資需要の増加が見込まれていますが、その構成には変化が生じる可能性もあります。アジア市場での需要が高まる一方で、欧米における金ETF需要は米国の金融政策やドル相場に大きく影響を受けることが考えられます。金の高値が続くことが金宝飾品需要に与える影響も懸念されますが、現時点では消費者は金を手放すことなく保有を続ける傾向が強いようです。
Metals Focus社提供の包括的データを含む「ゴールド・デマンド・トレンド 2026年第2四半期」報告書は、オンラインで入手可能です。
ワールド・ゴールド・カウンシルについて
WGCは金の戦略的資産としての重要性を広めることを目的に、責任あるサプライチェーンの構築を目指す組織です。専門家チームによる信頼される調査や分析を通じ、金市場の発展に寄与しています。WGCの最新情報は、TwitterやLinkedInでフォローできます。
会社情報
- 会社名
-
World Gold Council
- 住所
- 7th Floor, 15 Fetter Lane, London EC4A 1BWUnited Kingdom
- 電話番号
-