一般社団法人VR革新機構は、2023年5月4日に発表した水俣病に関するVR教材化プロジェクトの中止を発表しました。同機構は、環境省との連携で水俣病に関するVR教材を開発し、広く社会に提供する計画を進めていましたが、関係各所との調整が難航し、実現に至らなかったとのことです。
当初、環境省からは前向きな反応があったものの、担当者の変更などにより協力体制が維持できず、VRコンテンツ制作に協力していたMatterport社からも、事情により協力を取りやめざるを得なかったと説明されています。
VR革新機構は、今回のプロジェクトの中止について深くお詫びし、今後は他の施設のデジタル教材化に尽力していくとしています。
2024年12月末で、環境省水俣病情報センター、水俣市立水俣病資料館、熊本県環境センター、水俣病歴史考証館、国立水俣病総合研究センターの5施設のVRコンテンツの公開が終了となります。
VR革新機構は、VR技術を活用し、社会課題の解決や人々の理解促進に取り組む団体です。水俣病に関するVR教材は、水俣病の歴史や教訓を後世に伝えることを目的として開発されました。しかし、今回のプロジェクトの中止は、VR技術を用いた社会貢献活動の難しさ、関係機関との連携の重要性を改めて示すものとなりました。