新たな教育の展望
2025年3月2日、神戸市で開催された第15回JDEC〜フリースクール全国大会〜にて、公益社団法人日本青年会議所(日本JC)が主催する分科会が開催されました。本分科会のテーマは「未来を創る地域共育~個別最適な学びの実現~」です。この分科会では、生成AIを駆使した子どもたちの新たな教育機会の提供と、地域の住民や企業との連携による協働的な学びの実現を目指しています。
日本JCの新教育システム創造会議は、「Positive Learning Program(PLP)」という新たな教育システムを構築中です。これは、生徒一人ひとりに最適化された学びを提供するものであり、それにより子どもたちの個性を尊重し、能力を引き上げることを目的としています。教育者の減少や業務負担の増加に伴い、個別最適な学びの提供が課題となっている中で、生成AIと地域社会を巻き込んだ新たな学びの場を提供することで、それまでの教育では成しえなかった多様な可能性を模索しています。
今回の分科会には、フリースクール全国ネットワークおよび東京学芸大学の金子嘉宏教授の協力により、教育関係者およびフリースクール関係者が参加しました。実施概要は以下の通りです。
- - 日時:2025年3月2日(日)10:30~11:35
- 講演:10:30~11:10
- ワークショップ:11:10~11:35
- - 会場:神戸市中央区文化センター 10・11階
- - 参加者:フリースクール関係者、教育関係者
- - 参加人数:35名
分科会の前半では、金子教授が「未来を創る地域共育〜個別最適な学びの実現〜」をテーマに講演を行いました。彼は、現代の教育システムが抱える課題や、個別最適な学びを取り入れたSTEAM教育の実例に関する具体的なポイントを伝えました。その中で、地域の人々が教育に参画することの重要性、すなわち地域共育が教育システムに及ぼす影響についても深く掘り下げました。
後半では、金子教授の講演を受けて、実際に現場で使用しているワークシートを用いた体験型のワークショップが行われました。参加者は3名ずつのグループに分かれ、役割を伴走者と子どもに分け、子どもの興味を引き出すワークシートに取り組みました。この体験を通じて、参加者は子どもの視点を理解し、効果的なコミュニケーション方法を学ぶことができました。参加者の皆さんは「想像力と論理的思考が自然に磨かれる体験だった」「楽しみながら学ぶ中で、発想力と問題解決力が育つ実感があった」と声を寄せてくれました。
新教育システムの実現に向けた取り組みは、世代を超えて子どもたちの能力向上に寄与するでしょう。今後の展開に大いに期待が寄せられています。