株式会社イトーキ、オフィス活動測定アプリの開発に着手
株式会社イトーキ(東京都中央区、社長:湊 宏司)は、オフィスワーカーの活動を定量的に測定する画像解析アプリケーションの研究開発に乗り出しました。このプロジェクトは、リニューアルや移転後のオフィス環境で、従業員がそのスペースをどのように活用しているのかを検証し、効果的な運用を支援する目的を持っています。
研究開発の背景
同社のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進本部は、働き方の未来を見据えたサービス提供に向け、先端技術を活用した研究開発を進めています。今回の取り組みもその一環として重視されており、オフィスでの様々な作業活動を分析するための基礎を築くことを目指しています。
まず、オフィスでの作業を「1人での作業」「2人以上での作業」「ミーティング」「電話」「集中」「休憩」などに細分化。これらの活動を一つ一つ定義し、アルゴリズムを構築することで、定量的な画像解析を実現する予定です。将来的には、オフィスの設計や運用サービスの向上にも寄与することが期待されます。
調査の前提
この調査は、イトーキの従業員の理解を得た上で実施されています。特にオフィスの一部をカメラで撮影し、個人を特定することなく活動のみを調査対象としています。また、収集した画像は、クラウドではなくエッジ処理で扱うことを検討しており、プライバシーに配慮した運用が図られています。
調査の詳細
調査は、名古屋にあるイトーキのオフィス「ITOKI NAGOYA DELA」で、大手システムインテグレーターの株式会社オージス総研(大阪市西区、社長:吉村和彦)との共同で行われました。オフィスの特定のエリアを360度カメラで撮影し、実際のオフィス活動を目視で確認する作業が行われています。調査チームは、観察した各活動を「人」「物」「場所」の視点から記述し、情報を収集する方法を取っています。
活動の定義
調査の結果、オフィス活動の分類が行われ、その中に「チャット」という新たな活動の定義が加わりました。ここでの「チャット」は、仕事に関連するかどうかにかかわらず、2人以上の会話を含む全てのコミュニケーションを指します。この活動は公式な会議室に限らず、より自由なスペースで行われることが特徴で、会話の距離が1メートル未満であることが要求されています。
今後の展望
今後、イトーキはこの調査結果を基に、「活動の定義」をより豊富にし、画像認識AIモデル用のアルゴリズム構築を進める方針です。最終的には、定量的な測定が可能なアプリケーションの開発を目指しています。イトーキは、オフィスのDX領域において、データ活用を通じてワークスタイルや職場環境の研究開発を進めることで、顧客の働き方改革や人的資本の経営推進に貢献していく考えです。
関連情報
さらに、イトーキは名古屋の地元文化をアートで表現したオフィス「ITOKI NAGOYA DELA」のリニューアルオープンを発表しており、今後の展開に注目が集まります。リニューアルに関する詳細は
こちらのリンクから参照できます。
また、イトーキは1890年の創業以来、「明日の「働く」を、デザインする。」をミッションに、オフィスの環境デザインや働き方コンサルティングに力を入れてきました。今後もその理念のもと、働く空間の質向上に努めてまいります。