黒川温泉の挑戦
2021-02-06 15:56:03
黒川温泉が促進する循環型社会への挑戦と評価
黒川温泉が導くサステナブルな未来
2020年9月より開始された「黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト」が、サステナアワード2020にて環境省環境経済課長賞を受賞しました。この受賞は、地域の資源を活用した持続可能な取り組みが評価された結果と言えるでしょう。
サステナアワード2020とは?
サステナアワードは、農林水産省、消費者庁、環境省が連携して開催する持続可能な開発に向けたアワードです。この取り組みは、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」を念頭に、お食事や農業に関わる地域の取り組みや、これに賛同する消費者の活動を広めることを目的としています。各地域の持続可能なサービスや商品を紹介する動画が、全国から募集されています。
受賞したプロジェクトは、地域や生産者、事業者の取り組みを広く発信するためのもので、特に黒川温泉のプロジェクトはその映像によって、宿泊施設から出る生ごみのコンポスト化、そしてその堆肥を農家が使い、再び旅館で新鮮な食材として提供するという循環を描いています。
環境省のコメント
環境省の西村治彦課長は、「この取り組みは、グローバルで注目されるサーキュラーエコノミーや地域循環共生圏の好例」と述べています。旅館、行政、農家が一体となって地域の支援や観光振興に繋がる様子が、とても良く描かれていると評価されています。
黒川温泉の堆肥事業の背景
黒川温泉では、2020年9月から旅館で出る生ごみを使用して堆肥づくりを行っています。この温泉地は、地熱や水、草原、森林など自然の恩恵を受けて成り立っています。持続可能な地域資源の利用を目指し、最適な規模での循環を実現することで、環境負担を軽減しながら地域経済の発展に寄与することが求められています。
この堆肥事業のアドバイザーには、サーキュラーエコノミー研究家の安居昭博氏とコンポストアドバイザーの鴨志田純氏が加わり、プロジェクトの理念を支えています。
黒川温泉におけるこの取り組みは、まずは地域内での循環を構築し、その後には南小国町全体の規模にまで拡大することを目指しています。このように、多様な取り組みが地域の魅力を引き出すのです。
黒川温泉の魅力
黒川温泉は、阿蘇地域の奥深い山々に囲まれた場所で、年間100万人以上の観光客が訪れます。独特の入湯手形システムや、風情あふれる露天風呂は、多くの人々を魅了しています。温泉巡りの他にも、その美しい自然環境や独自の景観作りの取り組みで知られ、2009年版のミシュランガイドでは2つ星を獲得しています。これには、地元の景観を保つための努力が反映されています。
このように、黒川温泉の地域振興と環境への配慮を融合させた活動は、今後の持続可能な観光地のモデルとなることでしょう。地域が一体となって進めるこの活動は、人々の心をつなぎ、経済と環境が共存する未来を描いています。
会社情報
- 会社名
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黒川温泉観光旅館協同組合
- 住所
- 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6594-3黒川温泉旅館組合「風の舍」
- 電話番号
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0967-44-0076