地域の安全を守る新たなシステム『宙(そら)の目』の誕生
最近、神奈川県で新しい取り組みがスタートしました。それは、株式会社アイネットと株式会社GLODALが共同で開発した新システム『宙(そら)の目』です。このシステムは、衛星データとAIを活用して、土砂崩れや倒木、違法投棄などの異常を早期に検知し、地域の安全を向上させることを目的としています。
実証の概要
このプロジェクトは、神奈川県のオープンイノベーション支援事業「ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)」に選ばれ、支援プログラムの一環として実施されることになりました。神奈川県やBAK事務局は実証の計画を立て、進行管理や事業化支援などを行う伴走型支援を提供します。これにより、地域の安心・安全を守るための新しい手法が進められています。
『宙の目』の性能と特長
『宙の目』は、衛星画像を解析し、AIが地表の変化を自動的に検知する先進的なシステムです。この仕組みにより、現地調査を行うことなく異常兆候を把握することができ、迅速な対応が可能になります。取得したデータはアイネットの独自クラウドで安全に処理され、地方自治体や企業の担当者に分かりやすく通知されるため、業務効率が飛躍的に向上します。さらに、システムは国内の資産のみに基づいて構築されており、セキュリティとガバナンスがしっかりと確保されています。
神奈川県における背景
神奈川県は、全体の約40%が森林で覆われており、土砂崩れや倒木などのリスクが高い地域が多数存在します。これまでの監視活動は現地踏査に依存していたため、広域での監視や早期対応には限界がありました。自治体は、年間数百万円から数千万円に及ぶ監視・点検コストに悩んでおり、これを削減する新たな仕組みが求められていました。このような状況において、DXを活用した『宙の目』の導入は、非常に大きな意義を持つと言えるでしょう。
今後の展望
今後、この実証実験を経て、AIによる災害予知精度の向上が期待されており、さらに不動産や電力インフラなどの民間事業者にも展開される予定です。将来的には、国内の衛星製造産業との連携を通じて、宇宙とDXを融合させた地域防災の新たなスタンダードを築いていくことが目指されています。
この取り組みは、地域住民の安全を守り、持続可能な社会の実現に向けた一歩となるでしょう。今後の進展に注目したいところです。
企業情報
GLODAL
- - 所在地:神奈川県横浜市中区桜木町1−101−1 クロスゲート7階
- - 事業内容:衛星データ解析、AI開発、人材育成
- - 公式サイト
アイネット
- - 所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい5-1-2横浜シンフォステージ ウエストタワー13階
- - 事業内容:情報処理サービス、システム開発サービス、システム機器販売
- - 公式サイト