瀬戸内オリーブ基金25周年記念式典の開催と次世代への環境教育

瀬戸内オリーブ基金25周年記念式典の意義

2025年11月8日、岡山国際交流センターにて、認定NPO法人瀬戸内オリーブ基金の設立25周年を祝う式典が開催されました。この25年間、地域住民や行政、教育機関、企業など71名が一堂に会し、これまでの道のりを振り返るとともに、今後のビジョンを共有しました。

開催の背景

瀬戸内オリーブ基金は、2000年に香川県豊島で起きた産業廃棄物不法投棄事件に端を発して設立されました。この事件は地域に深い影響を与え、以降の基金の活動は環境再生に向けた重要な役割を果たしてきました。四半世紀が経過し、今回の式典では「再生」から「教育」という新たなテーマへとシフトする姿勢が強調されました。「美しい島から、学びの島へ」という新しいミッションが掲げられ、未来に向けた意気込みが感じられました。

25年の歩みとメッセージ

式典の冒頭では、理事長の岩城裕氏が多くの支援者への感謝を述べ、その後、香川県の池田豊人知事や安藤忠雄氏からのメッセージが紹介されました。共通するメッセージは「継続することの重要性」であり、安藤氏は植樹したオリーブが生長する姿に「命を受け継ぐ意味」を重ねました。また、株式会社ファーストリテイリングの柳井正氏は、堅実な支援の意義を語り、会場の参加者に響くメッセージを送りました。

環境教育宣言の発表

記念講演では、専門家たちがそれぞれの視点から環境問題についての重要性を説きました。中地重晴氏（熊本学園大学教授）は、「科学者は専門家だけでなく通訳者であるべきだ」と語り、難しい内容を分かりやすくする重要性を説きました。続いて、山陽新聞社の影山美幸氏は、環境である瀬戸内海の重要性を強調しました。大川真郎氏は、環境教育において学びを未来につなげる重要性を訴え、豊島の教訓を世界に伝える必要性を強調しました。

トークセッションでの意義

後半のトークセッションには、企業や教育機関の関係者が参加し、具体的な実践事例や課題についての意見を交わしました。ここでは、現場への訪問や環境学習の重要性が強調され、体験することの大切さが共有されました。また、企業や学校が持つ強みを活かして、より効果的な環境教育を実現するためには、瀬戸内オリーブ基金のような存在がつなぎ役となることが必要であるという結論に達しました。