国産戦車「九七式中戦車改」のアメリカからの帰還を目指すクラウドファンディング
NPO法人防衛技術博物館を創る会(以下、防技博を創る会)が、国産戦車「九七式中戦車改」のアメリカからの里帰りを実現すべく、クラウドファンディングを始めました。このプロジェクトは、、貴重な戦車の輸送費や法規対応のための複製品製作費を集めるためのものです。
プロジェクトの目的
防技博を創る会は、日本の防衛技術の保存・展示を目指しており、その一環として旧日本陸軍の「九七式中戦車改」を展示することを計画しています。この戦車は、日本の陸軍が使用していた代表的な戦車の一つであり、その現存車両は非常に貴重です。
特に、今回のプロジェクトでは、アメリカ・テキサス州の「太平洋戦争国立博物館」で大切に守られている「新砲塔チハ」を御殿場市へ搬入することを目指しています。この戦車の里帰りを実現するためには、まず輸送費を集める必要があります。
課題と挑戦
プロジェクトは順調に進んでいるかに見えましたが、急に想定外の問題が発生しました。それは、警察庁からの「戦車砲の無可動化」の指導でした。それにより、旧砲塔を取り外し、精密複製品を製作する必要が生じたのです。
この複製品の製作には多大な労力がかかり、また、輸送スケジュールも遅延してしまいました。さらに、最寄りのヒューストン港からの船便が利用できないことが判明し、急遽ロサンゼルスから横浜への直行便の手配をしなければならなくなりました。そのため、米国内の回送費用が新たに必要となり、予想以上の費用が発生することとなりました。
クラウドファンディングの詳細
これらの課題を受けて、防技博を創る会は緊急のクラウドファンディングを行うことに決定しました。目標金額は1,200万円で、日本への輸送費用・法規対応に必要な戦車砲の精密複製品の製作費用・各種経費が含まれています。
クラウドファンディングの募集は2024年12月25日から始まり、2025年の2月20日までの57日間にわたって行われます。支援に対するリターンとしては、お礼メールやWeb内見会への招待、定期的な修復状況の説明会への招待などがあります。
防衛技術博物館を創る会の活動
防技博を創る会は、機械産業の継承と防衛意識の向上に寄与することを目的に、2010年から活動を開始しました。2012年に特定非営利活動法人として認可を受けて以降、着実に活動を続けています。過去には、3度のクラウドファンディングを通じて「くろがね四起」や「九五式軽戦車」など様々な防衛装備品の修復や取得を実現しました。
現在、防技博を創る会は2033年に開館予定の「防衛技術博物館」を目指し、さらに多くの国産防衛装備品の保存・展示に向けて活動しています。
このように、国産戦車「九七式中戦車改」の里帰りプロジェクトは、防技博を創る会にとって大きな意義を持つものであり、また日本の歴史を継承する上でも重要な活動となります。ぜひ、このプロジェクトにご支援いただければと思います。