インプレックスアンドカンパニーとレブコムが業務提携
2023年、営業コンサルティングを手掛けるインプレックスアンドカンパニー株式会社と、AI搭載型クラウドIP電話システムを提供する株式会社RevCommが、戦略的な業務提携を結び、営業領域におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めることを発表しました。この提携は、両社が提供するソリューションを融合させ、営業活動の効率化が期待されています。
提携の背景
営業組織におけるAIの活用が進む中で、多くの営業現場の実情は、AIツールが導入されてもその活用が進まないというものです。この状況は、営業担当者が顧客と直接やり取りできる時間はわずか28.5%しかなく、残りの71.6%の時間が準備や報告業務に費やされることで生じています。これにより個々の営業活動が見えづらくなり、結果的に生産性が低下しているのです。
例えば、営業マネージャーたちも内部調整やレポート作成に多くの時間を要し、メンバーへのコーチングに注力できない実情があります。このような課題を解消するために、インプレックスアンドカンパニーとレブコムは協力し、営業プロセスの効率化を目指します。
提携に基づく取り組み
この提携の目的は、営業担当者が顧客とのコミュニケーションに集中できる環境を整えることです。AI技術を活用して、営業活動の非コア業務を自動化・効率化し、2027年には95%の業務をAIによって実行できるようにする計画です。これによって、営業担当者は顧客とのコミュニケーションに専念し、より大きな成果を生み出すことが可能になります。
具体的には、レブコムのAI「MiiTel」を活用して、議事録の自動作成や提案書の自動生成などの機能を提供し、営業活動全体を可視化することで、各営業担当者が自らのパフォーマンスを把握できるようにします。また、マネージャーは業務の一部をアウトソーシングすることで、戦略策定やコーチングにもっと時間を使えるようになるのです。
今後の展望
両社は、AI技術を駆使した営業の「型」を作成し、持続可能な成長を促すことを目指しています。日本の営業組織にAIを「装着」することで、データに基づいたマネジメントを普及させ、全体の生産性を最大化します。この業務提携は、単なるツール提供にとどまらず、両社の強みを活かし合うことによって「最強の営業B-PaaS企業」へと成長することを目指しています。
各社の代表からのコメント
RevCommの代表取締役會田武史氏は、「MiiTelの音声解析技術によって営業活動の可視化やセルフコーチングの仕組みを強化できた。しかし、全体の成果を最大化するためには、外部の知見との連携が不可欠である。この提携により、科学的かつ再現性のある成果を支援することができる」と述べており、実績に基づく支援の重要性を強調しています。
一方、インプレックスアンドカンパニーの取締役副社長矢野篤氏は、「私たちは顧客成果にコミットする姿勢を持ち続けてきたが、個人的な経験に依存してしまう部分もあった。この提携により、全ての営業パーソンがAI技術を活用し、顧客とのコミュニケーションにフォーカスできることで、営業組織全体の生産性向上につながることを期待している」と述べています。
この提携によって、AIと営業の新たな未来が見えてきたと言えるでしょう。