廃校を活用したGPUデータセンター、玄海町に誕生
株式会社ハイレゾは、佐賀県玄海町に新たなデータセンターを開設しました。この施設は2015年に廃校となった旧有徳小学校をリノベーションしたもので、地域の休眠資産を効果的に活用して地方創生に寄与することを目的としています。データセンターは、国家的な課題とされる少子化の影響で廃校となった施設を再利用しながら、持続可能な技術の利用を推進していく重要な一歩を示しています。
GPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」を展開
ハイレゾは、2019年に石川県志賀町でGPU専用データセンター事業を開始しました。これまでに、志賀町内で2つのデータセンターを運営し、さらに香川県高松市にもデータセンターを開設予定です。今回の玄海町データセンターは、九州地域における初の拠点となります。これにより、地域の活性化とともに、AI技術の発展にも寄与することを目指しています。
データセンターは約2,089㎡の床面積を持ち、120台のNVIDIA RTX A4000を搭載した高性能なGPUを提供します。これにより、ユーザーは膨大な計算処理を迅速に行うことが可能となり、様々な業界でのニーズに応えています。
廃校の有効活用によるコスト削減
文部科学省の統計によると、日本国内では少子化の影響で多くの学校が閉校を余儀なくされています。これにより、休眠資産として放置されている施設が増加しています。多くの廃校が利活用されている一方、まだ1,500校以上がその用途が決まらずにいるのが現状です。ハイレゾは、そのような施設を再生可能エネルギー利用や観光資源に変えていく取り組みを推進しています。
テクノロジーを通じた地域貢献
ハイレゾは、この新しいデータセンターを通じて、テクノロジーと地域資源の組み合わせにより持続可能なAI開発を実現し、地域経済の活性化を目指しています。2026年には香川県綾川町でも新たに廃校を活用したデータセンターを開設する計画も進行中です。
GPUSOROBANの成長と拡大
GPUSOROBANは、画像生成AIや大規模言語モデルなど、さまざまな計算処理を効率よく行うGPUクラウドサービスです。運用コストの削減により、高性能なサーバーをリーズナブルな価格で提供しており、既に2,000件以上の利用実績があります。利用者はIT業界を始め、製造業や建設業、大学の研究機関など幅広い分野にわたっています。
未来への展望
ハイレゾは、地域社会に密着した事業運営を行いながら、持続可能な未来のためのインフラを築いています。「AI計算力が世界で一番安い国、日本」を実現するために、今後も挑戦を続けていく所存です。私たちの持つ技術と地域の資源を融合させることで、さらなる発展を遂げることに期待がかかります。このような取り組みが、地方創生とAIの具体的な成果として実現していくことを願っています。