食品バリューチェーンのカーボンニュートラルを目指す「インセッティングコンソーシアム」設立

新たな価値を創造する「インセッティングコンソーシアム」の設立

株式会社すかいらーくホールディングスやニチレイフーズ、さらにTOWING、農林中央金庫の4社が共同で「インセッティングコンソーシアム」を設立しました。この取り組みは、農業と食品バリューチェーンにおけるカーボンニュートラルおよびネイチャーポジティブの実現を目指すものです。企業は各々のリーダーシップを発揮し、持続可能な未来への道筋を描こうとしています。

カーボンニュートラルへの重要性

昨今、地球温暖化に対する関心が高まる中、食品バリューチェーンに関与する企業も、温室効果ガス（GHG）の直接的排出の削減にとどまらず、間接的な排出、つまりバリューチェーン全体での削減に取り組む必要が出てきています。特に、農業生産現場でのGHG排出は難易度が高く、この課題を克服するための新しい技術の導入が求められています。

その中で注目されるのがTOWING社が提案する「宙炭」です。これは植物や食品の加工残渣を原料とした高機能バイオ炭で、その特性を活かすことで農地の土壌改良や有機肥料の効率的な利用が可能となります。これにより、農業生産現場のカーボンニュートラルを促進し、ネイチャーポジティブな環境を実現することが期待されています。

お互いに支え合う仕組み

農林中央金庫は、このコンソーシアムの協力により、TOWING社の発行するJ-クレジットを共同で購入することを発表しました。これにより、農業現場でのGHG削減をサポートし、持続可能な農法への移行が進むと見込まれています。このJ-クレジットとは、バイオ炭の農地施用に由来し、長期間にわたる保管が可能な高品質のクレジットを指します。

また、本提携により、各企業が自社のサプライヤーや関連地域と連携し、GHG削減の効果を享受しつつ、自社のバリューチェーン全体で持続可能性を追求することも可能になります。この「カーボンインセッティング」アプローチは、SBTi Net Zero Standardに基づくもので、世界的な注目を集めています。

未来への展望

今後、インセッティングコンソーシアムはさらなる技術や資材を導入し、共感を持つ新たな参加企業を増やしていく努力を続けます。目的は、農業と食品バリューチェーン全体のトランジションを推進することです。これにより、持続可能な社会の実現に向けた道を切り拓いていく考えです。

この取り組みが、食品業界における生産現場でのGHG削減と、持続可能な農法の普及に寄与することを期待しています。