メドメイン株式会社が特許を取得
メドメイン株式会社が、病理診断における所見作成を効率化するAIシステムに関する特許を取得しました。この特許(特許第7752741号)は、病理医が作成した所見文とAIが生成した所見文を照合し、誤字や記載漏れ、診断内容の誤りなどを自動的に検出する技術です。これによって、病理医の所見作成作業が大幅に効率化されることが期待されています。
特許の詳細
本特許は、病理診断の品質向上と医療現場の負担軽減を目指しています。具体的には、病理画像を基にしたAIの生成した所見文と医療従事者が作成した所見文を比較することで、誤りを見つけ出す支援を行います。この仕組みは、以下のような技術的特徴を備えています。
照合機能を持つ所見文生成
特許の中核には、所見文の生成と照合による確認支援が含まれています。医療従事者が記述した所見文とAIが生成した所見文を比較し、誤字や記載漏れを検出します。
類似度チェック機構
また、このシステムは、生成された両方の所見文の類似度を算出し、その結果に基づいて医療従事者に確認や修正を促します。これにより、ヒューマンエラーの発生を防ぎ、作業の効率化が図られます。
背景にある課題
病理診断は医療の根幹を支える重要な役割を果たしていますが、専門医の不足や業務負担の増加が問題視されています。メドメインは、デジタル病理の普及と医療AIの推進を通じて、この課題を解決しようとしています。特に所見を書き上げる過程ではヒューマンエラーのリスクが高く、誤りが医療の質を損なう要因となります。
今回の特許は、所見文の正確性を向上させる新たな試みです。AI技術を活用することで、医療従事者が行うチェック作業を補完し、診断の安全性と品質を向上させることを目指しています。
今後の展望
今後はこの特許技術を病理クラウドシステム「PidPort」やその他の医療DXソリューションに組み込むことを計画しています。これにより、病理所見作成や確認プロセスの効率化が進むだけでなく、診断品質の向上も期待されます。国内外の医療機関への展開を計画しており、安全性と信頼性を重視した病理診断支援システムの実現を目指します。
会社概要
メドメイン株式会社は2018年に設立され、医療ソフトウェアやクラウドサービスなどを提供しています。主なオフィスは福岡市と東京にあり、海外にも展開しています。社長の飯塚統氏のもと、革新を追求しつつ医療の発展に貢献する取り組みを行っています。詳細は
メドメインの公式ウェブサイトで確認できます。