五常・アンド・カンパニーが2024年度インパクトレポートを発行しました。このレポートは、同社が掲げる金融包摂のビジョンや、途上国でのマイクロファイナンスの取り組み、顧客保護に関する課題を詳しく分析しています。
インパクトレポートの意義
このインパクトレポートは、日本語と英語の2言語で発表されており、同社の活動の透明性を確保するための重要な資料です。五常の使命は、金融包摂を実現することであり、約240万人の顧客の90%以上が女性で、農村部に住んでいることが特徴です。これにより、経済的に疎外されがちな層に対して、金融サービスの提供が行われています。
金融包摂とは
金融包摂とは、すべての人が必要とする金融サービスにアクセスすることを意味します。五常は、顧客がこのサービスを通じて目標を達成するための選択肢を増やし、質の高いサービスを提供することに取り組んでいます。この活動は、単に顧客の収入を増やすだけでなく、顧客が効率的にお金を管理する能力を育てることにもつながります。
課題としての過重債務
一方で、過重債務はマイクロファイナンスにおける深刻な課題でもあります。五常は、顧客が過重債務に陥る原因を探求し、リスクを回避するための手段を講じています。過重債務に落ちいるケースは、厳格な審査プロセスを経ても避けがたく、慎重なモニタリングが必要です。同社は、この問題を常に認識し、顧客保護に関するガイドラインを遵守して対応しています。
ソーシャル・パフォーマンス・マネジメント(SPM)
過重債務の問題に対し、五常はSPMという枠組みを導入し、金融サービスの社会的責任を浸透させる取り組みを行っています。SPI監査や外部評価機関により、提供するサービスとその運用の質を検証することで、社会的な信頼を築いています。これにより、顧客にとってより良い選択肢が提供されることを目指しています。
2024年の取り組み
2024年には新たにベンチャーキャピタル事業を運営する「UNLEASH」を共同設立し、デジタルイニシアティブ「Pasioプログラム」の開始も予定しています。また、五常は環境への配慮も強化しており、温室効果ガス排出量の測定を拡大するなどの取り組みを進めています。こうした活動は、持続可能な社会実現に向けた一歩となります。
ウェビナーの開催
さらに、このインパクトレポートに関連して、2024年9月17日と19日には、それぞれ日本語と英語でウェビナーが開催される予定です。参加登録は公式サイトから可能です。これにより、五常の活動についてさらに深く理解する機会が提供されます。
五常・アンド・カンパニーの概要
五常は、途上国におけるマイクロファイナンスを推進するために設立されたホールディングカンパニーです。2014年の設立以来、低価格で高品質な金融サービスを提供することに力を入れ、現在では5カ国に9社のグループ会社を展開しています。今後も金融包摂の実現を目指し、顧客の未来を共に築いていくことを目指しています。