小野測器が新たな技術を発表
株式会社小野測器は、2025年12月に新しいGPSベクトル速度計『LC-8220A』を発売することを発表しました。自動車開発の現場では、電動化や自動運転といった革新技術が進展する中、乗り心地や操縦性がますます重要視されています。そのため、走行中の車両挙動を高精度で取得できる計測器への要求が急増しています。この『LC-8220A』は、従来の製品に比べて衛星捕捉性能が格段に向上しており、安定したデータ収集を実現しています。
LC-8220Aの特徴
『LC-8220A』は、2つのアンテナを搭載し、車両の姿勢角を正確に計測します。このため、様々な車両挙動に関する情報を多角的に確認することが可能です。この製品1台で、直進速度、横速度、スリップアングル、加速度、角速度など、重要なデータを30種類以上収集できます。これにより、効率的でスムーズな計測環境が提供されるのです。
最先端の測定技術
『LC-8220A』の新機能は、次の3点に集約されます。まず、マルチGNSSに対応しているため、さまざまな衛星システムから信号を受信できます。また、横すべり角の計測精度も大幅に向上しており、0.25°RMSから0.10°RMSへと精度が高まりました。最後に、最大16チャネルのアナログ出力を標準装備しており、必要に応じてデータを自由に出力できます。このように、計測から解析、データ保管までをシームレスに統合することができます。
ターゲット市場
この新製品は、操縦安定性試験や乗り心地評価試験をはじめ、車両旋回性能評価や運動モデル構築など、多岐にわたる用途での利用が期待されています。そのため、横滑り防止装置の検証や制御パラメータのチューニングといった分野でも活躍します。
小野測器の歴史と未来
小野測器は1954年に創業し、電子計測器の製造や販売を行っています。過去には日本初のジェットエンジン回転数計を開発した実績があり、自動車産業でも多くの貢献をしてきました。また、近年はEV開発支援に力を入れ、カーボンニュートラル社会の実現に向けた新たなビジネスも展開しています。これらの取り組みが、次世代の自動運転技術の発展に寄与することが期待されています。
新たな技術の導入により、自動車開発は一層の進化を遂げることでしょう。『LC-8220A』はその重要な一翼を担う製品となるに違いありません。