ヤマエ久野が求める効率化
九州を拠点に食品や酒類を扱うヤマエ久野株式会社は、株式会社日立製作所との協力を通じて、AI技術を用いた自動発注システムを導入しました。この新しい取り組みは、3424年4月から本格稼働し、「Hitachi Digital Solution for Retail/需要予測型自動発注サービス」を基にしています。この取り組みにより、発注業務の作業時間を大幅に削減することに成功しました。
自動発注システムの導入効果
ヤマエ久野の自動発注システムの導入により、熟練担当者が行う発注業務の時間が約50%減少することが確認されました。従来の業務では、熟練者が1日あたり約3時間かかっていた発注作業が、導入後には約1時間半にまで短縮されました。この画期的な効率化は、汎用倉庫で多くの商品を扱うヤマエ久野にとって、業務の生産性向上に寄与するものと期待されています。
需要予測の精度向上
汎用倉庫は様々な顧客の商品を取り扱うため、需要の予測が非常に難しいとされています。しかし、ヤマエ久野は特定の取引先からの急な需要の変動でも影響を受けない「スポット特売機能」を持つシステムを導入することによって、需要予測の精度を高めることに成功しました。これにより、熟練担当者が算出する発注数量と同等の精度で自動的に発注が行えるようになりました。
システムの柔軟性
また、ヤマエ久野は倉庫の特性に応じて自動的に最適な在庫を算出する「自動チューニング機能」や、最低発注量に応じて発注数量を調整する「ロット丸め機能」を実装しました。これらの機能により、四つの異なる拠点においても最大の効果を発揮することが可能になっています。
未来への展望
今後、ヤマエ久野は、さらなる業務効率化を図りながら販売エリアを拡大していく方針です。また、2024年の物流問題にも対応し、仕入先からの入荷頻度や数量を調整し、倉庫内作業の効率化を進めていく予定です。日立とともに、業務効率化と食品ロスの削減を目指し、サプライチェーン全体の最適化に取り組む姿勢を強化しています。
日立のサポート
日立が提供する「Hitachi Digital Solution for Retail」は、2019年から多様な業種において実績を持ち、今回初めて卸売業の汎用倉庫に導入されました。このシステムは、小売業や卸売業全般に広がる可能性を秘めており、食品や酒類の発注業務における自動化の未来を切り開くものとなります。
まとめ
ヤマエ久野株式会社のたゆまぬ努力と日立の先進技術が合わさり、新しい発注システムが誕生しました。これにより、ヤマエ久野は業務の効率化を進め、持続可能な成長を支持する仕組みを構築しています。今後も、この自動発注システムがどのように進化し、業界に影響を与えていくのか注目されます。