四国水族館は、2024年6月26日から7月20日までの期間限定で、4月に誕生したイエローリップダムゼルとコバンアジの稚魚を展示しています。
イエローリップダムゼルの稚魚は、イルカ棟1階のスポンサー水槽で産み付けられた卵を孵化させた個体です。一方、コバンアジの稚魚は、本館棟1階の綿津見の景で産み落とされた卵を採取して育てられました。
イエローリップダムゼルの繁殖は日本初、コバンアジの繁殖は国内で2例目と、どちらも貴重な展示となっています。この機会に、成魚との違いや、両種の繁殖方法の違いにも注目してみてください。
展示の詳細
期間: 2024年6月26日(水)~7月20日(土)
場所: 本館棟1階 神無月の景横スペース
展示種:
イエローリップダムゼル: 2024年4月15日生まれ、全長約1.5cm
コバンアジ: 2024年4月22日生まれ、全長約4cm
※生きものの状況により、展示が予告なく終了する場合があります。
イエローリップダムゼルについて
イエローリップダムゼルは、全長約5cmの魚で、東インド洋や西太平洋に分布しています。体色は黄色で、興奮すると黒い横縞が4本現れます。尾柄部に黒い斑点があるのが特徴です。
他のスズメダイ科魚類と同様に、オスが縄張りを作り、産卵基質となる岩などのゴミや藻類を掃除します。繁殖の準備が整ったオスは、メスを誘引する行動(シグナルジャンプ)を行い、メスはオスが掃除した産卵基質に卵を産みます。卵は付着沈性卵で、産卵基質に付着糸でくっついています。
コバンアジについて
コバンアジは、全長約40cmの魚で、新潟県以南の日本海と太平洋に分布しています。吻が尖っていて、体側に3つの黒い斑点があります。アジの仲間ですが、体側に稜鱗がなく、背びれと尻びれが鎌状に伸びているのが特徴です。
他のアジ科魚類と同様に、数匹が真上に向かって群れて泳ぎ、産卵と放精を行うと考えられています。卵は分離浮性卵で、水面付近を漂います。
四国水族館について
四国水族館は、瀬戸大橋のたもと、香川県宇多津町に2020年にオープンした水族館です。「四国水景」をテーマに、約400種14,000点の生き物を展示しています。生き物の展示だけでなく、四国の文化やそこで暮らす人の営みとともにある環境も水槽内で表現しています。時間帯や季節によって楽しみ方が異なるので、四国にお住まいの方には、四国の水の景色の豊かさを再発見できる、四国以外の方には、四国を巡りたくなる水族館です。
四国水族館で、日本で初めて繁殖に成功したイエローリップダムゼルの稚魚を見ることができると聞き、早速行ってきました。
イエローリップダムゼルは、鮮やかな黄色の体色と、興奮すると現れる黒い横縞が特徴の美しい魚です。稚魚は、成魚と比べて体色がまだ薄く、体の模様もはっきりしていませんでしたが、それでもその可愛らしさに心を奪われました。
また、国内2例目のコバンアジの稚魚も展示されており、こちらはすでに成魚に近い姿をしています。コバンアジは、体側に3つの黒い斑点があるのが特徴で、泳ぎ方もとても優雅でした。
両種の稚魚は、水槽の中で元気に泳ぎ回っており、その成長を見守っているだけで心が癒されました。
今回の展示は、期間限定とのことなので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
四国水族館では、生き物の展示だけでなく、四国の文化や環境についても学ぶことができます。水族館の展示を通して、海の生き物たちの素晴らしさや大切さを改めて実感することができました。