新たな高帯域データ収録装置 WX-9000シリーズ
TEAC(ティアック)は、最新のワイドバンドデータレコーダー『WX-9000シリーズ』の販売を2025年1月に開始することを発表しました。このシリーズは、航空宇宙、鉄道、電力、防衛などの重要な分野で使用されることを目的に設計されています。これにより、データ記録の確実性と信頼性の向上が図られています。
多様なモデル展開
『WX-9000シリーズ』には、複数のモデルが用意されており、それぞれ異なるチャンネル数や価格帯が設定されています。例えば、16チャンネルの入出力が可能な『WX-9016』はメーカー希望小売価格330万円(税抜)とされています。さらに、32チャンネルの『WX-9032』(580万円)、64チャンネルの『WX-9064』(1080万円)、128チャンネルの『WX-9128』は2080万円という価格設定がされています。これらの機器は、それぞれの使用環境に応じた性能を持ち、選択肢の幅を広げています。
従来品からの改善点
『WX-9000シリーズ』は、TEACの従来機『WX-7000シリーズ』から大幅な改善が施されています。特に注目されるのは、サンプリング周波数の増加で、256kHzのサンプリングと100kHzの帯域に対応しています。このことにより、データ収録の精度が格段に向上しました。また、入手性が高くコストパフォーマンスに優れた2.5インチSATA-SSDを採用しているため、メディア容量も従来の2倍、最大で4TBを実現しています。
高速かつ高品質なデータ収録
新たな記録レートも大きな進展です。SSDによるPC接続時のスループット記録は約32MB/sに達し、256kHz/16bit/64chの記録が可能です。また、オプションのSDカードによる記録も行えるため、柔軟なデータ取り扱いが可能になっています。さらに、従来機種以上の137dB(FFTベース)というワイドダイナミックレンジを持つことで、より鮮明なデータ記録が期待できます。
利便性の向上
このシリーズはユーザビリティの向上にも力を入れており、従来のジョグダイヤルに加え、タッチパネル液晶が搭載されています。これにより、操作が直感的になり、使用者は迅速に設定を行うことができるようになりました。また、無線LAN機能を搭載しており、遠隔から本体の設定やモニタリングが可能です。さらに、GPS入力が標準装備され、データに位置情報を付加できるため、運用の自由度が増しています。
安全性と軽量化
安全性を考慮したデータ取り逃し防止機能も実装されており、不意の電源断にもデータを確実に保存してくれる設計です。また、約20%の本体軽量化も実現しており、設置場所による負担も軽減されています。
投資家や関連事業者にとっての期待
『WX-9000シリーズ』は、毎年120台の販売を目指しており、防衛、鉄道、電力、航空宇宙など様々な関連業界にて導入が進むことが期待されています。これにより、各業種でのデータ収集と分析が一層促進され、高度な技術の進展にも寄与することになるでしょう。
詳しくは、TEACのデータレコーダー製品公式サイトをご覧ください:
TEAC データレコーダー製品サイト