循環葬®の新たな展開－社寺林の保全と収益化を目指す取り組み

社寺林の持続的保全と収益化を目指す循環葬

at FOREST株式会社は、自然にやさしい循環葬®「RETURN TO NATURE」を監修し、昨今の葬送文化と森林保全を融合させた新たな試みを展開しています。このたび、同社は日本景観生態学会の第35回大会で「社寺林の持続的保全と収益化の両立」をテーマにパネル発表を行いました。この発表は、森に還る研究所の取り組みの一環として実施されました。

発表の背景

日本には、全国で7万以上の寺院が存在すると言われていますが、多くの寺院が抱える問題は檀家の減少や人手不足です。これらの問題により、境内の森林は適切に管理されずに放置されるケースが増加しています。神戸大学の石井弘明教授は、循環葬®の森林アドバイザーとして、放棄された森林の保全と管理に関する研究を行っており、社寺林の問題にも注力しています。この労力が、放棄林問題に対する解決策の一端を担うことが期待されています。

日本景観生態学会は、自然の過程や風土を活かして国土や地域計画に対する科学的根拠を提供し、景観生態学の普及に努める目的で設立された学会です。その理念のもとでの発表は、参加者からも高く評価されました。

研究結果と評価

循環葬®では、拠点開発にあたり事前に植生調査を行うことが重要視されています。新たに千葉に設けられる関東初の拠点では、放棄されていたヒノキの人工林を整備することが計画されています。しかしながら、長年の放置により、ヒノキは多くが枯死し、下草や若木は不足した状態でした。そこで、このヒノキ林は自然林に再生する形で活用される予定です。この一方で、隣接する自然の照葉樹林エリアは、多様な樹木が重なり合い、若い木々も育つ豊かな構造を持っています。

調査によれば、ヒノキ林の多様度指数はH'＝1.19であり、照葉樹林はH'＝2.74という結果が得られました。具体的には、ヒノキ林で確認された広葉樹は4種類に対し、照葉樹林の方では26種類が見つかりました。

これを踏まえ、今後は管理放棄されていたヒノキ林を「埋葬エリア」とし、隣接する自然の森を「憩いのエリア」として整備し、訪問者が静かに故人を偲べる空間を提供します。その結果、埋葬エリアの生態系が向上し、自然林の再生に寄与することが出来ると期待されています。

循環葬®の理念と企業内の取り組み

なんと、循環葬®は、死という普遍的なテーマと森林保全を結びつけた新しい体験を提案しています。特に、環境保護に配慮した埋葬の形として注目されるこの取り組みは、社会全体での持続可能な森林保全につながることが期待されています。

at FORESTは、循環葬®RETURN TO NATUREを運営する中で得た知見を活かし「森に還る研究所」を設立しました。この研究所の目的は、自然葬がより身近で選ばれる選択肢となることです。

会社情報

at FOREST株式会社は2022年5月に設立され、兵庫県神戸市に本社を置き、代表は小池友紀氏です。公式サイトでは、循環葬の詳細や参加できる機会についての情報を発信しています。通常の墓標に代わる美しい自然の中で、お墓参りをする新しい形を提供しています。

循環葬®は、無縁墓の増加が懸念される中、次世代に豊かな自然を遺すための有望な取り組みとして注目されています。このような新たな動きは、ますます多くの人々に支持されていくことでしょう。