日本空間デザイン賞2025が選出した三つの作品の魅力
2025年度の日本空間デザイン賞において、特に注目を集めたのは【大阪・関西万博「EARTH MART」】、【和光 本店地階 アーツアンドカルチャー】、そして【美郷町カヌー艇庫 カヌーパークみさと カヌーレIMAI】の三作品です。これらのプロジェクトはそれぞれ独自の視点から空間デザインの可能性を広げています。特に金賞を受賞したこれらの作品には、デザインに対する深い理解と新たなアプローチが感じられました。
1. 大阪・関西万博 「EARTH MART」
このプロジェクトは、スーパーマーケットをコンセプトに、来場者に親しみやすい空間を提供しています。情報が集まる博覧会として、直感的に概念やメッセージが伝わるようにデザインされています。来場者が日常の延長線上で体感を楽しめるような雰囲気作りがされています。仕組みの中に「命」の視点を持ち込んでおり、来場者に自己を省みるきっかけを提供するなど、非常に思慮深い構成となっています。デザインは、最新技術に依存せず、身近な要素を通じて大きなエネルギーを表現しています。
受賞者の声
大西 亮氏(乃村工藝社 nora)は「万博YEARに万博プロジェクトが選出されたことは感慨深い」とし、未来を見据えたデザインへの思いを語っています。
2. 和光 本店地階 アーツアンドカルチャー
和光の本店地階は、ブランドの哲学やアティチュードを体現する空間です。長年培われた日本の建材を使用し、国内外の人々を惹きつける空間を実現。DXを経た小売店の進化を象徴しています。
デザインは、音や光、素材にこだわり、「時の舞台」をテーマにした高い文化体験を創出しています。訪れる人々にとって、日本の美意識と世界的な視点が融合した空間へと変化しています。
受賞者の声
武蔵 淳氏(和光)は、時を感じることの重要性を改めて強調し、空間デザインを通じて深い文化体験が得られることを語っています。
3. 美郷町カヌー艇庫 カヌーパークみさと カヌーレIMAI
このプロジェクトは、地域の生活と観光を結びつける画期的な施設です。カヌー競技のための施設でありながら、観光資源としても期待されています。バリの様式を取り入れた独自の建築は、地域の文化を反映しつつ、新たな魅力を生み出しています。
地域のクオリティーオブライフを向上させることを目的としており、特筆すべきは、入念に読まれた土地の文化や歴史を大切にし、日に日に変わる自然環境に応じたデザインです。
受賞者の声
中本 剛志氏(STUDIO YY)は、地域に根付く建築を志向し、人々が自然と触れ合える空間作りを大切にしています。
贈賞式と今後の展望
11月21日には、日本橋三井ホールで贈賞式・懇親パーティーが行われ、約400名が参加。これにより、受賞したデザイナーたちが、その功績を称えられました。
日本空間デザイン賞は、2019年に設立された日本で唯一の空間デザインアワードで、全国各地の優れたデザインを評価し発信することを目的としています。これを通じて、さらに多くの感性が育まれ、デザインの可能性が広がることを期待しています。
今後も、デザインプロジェクトが地域に与える影響や、空間の持つ力を発信し続け、次世代のデザイナーにインスピレーションを与える活動が続くことを願っています。