2025年度グッドデザイン賞受賞の意義
株式会社UMITO Partnersが開発に関与した「リジェネラティブな事業探究ゲーム」(通称:スズキクエスト)が、2025年度のグッドデザイン賞を受賞しました。このゲームは、海と人間の関係性に焦点を当てており、企業向けのロールプレイング研修を通じて、参加者に持続可能な事業の在り方を学ぶ機会を提供します。
受賞の背景
本ゲームは、実際の漁業の知恵を基にした体験型研修として設計されています。参加者は、急速に進化する環境問題や社会的課題に対処するための「リジェネラティブ」な視点を学びます。また、漁業関連のプロジェクトがグッドデザイン賞を受賞するのは稀であり、特に注目されています。
審査員からは、非人間のステークホルダー(海や魚など)を意思決定に組み込むという独自性や、環境を考慮した事業デザインの重要性が評価されました。これにより、参加者は短期的な利益に偏ることなく、持続可能な未来を構築するために必要な視点を得ることができます。
ゲームの特徴
この研修は、「大量生産・大量消費からの転換」という企業が直面する課題に対して、新しい事業創出の可能性を探ることが目的です。五方良し(売り手・買い手・社会・自然・次世代)の視点を通して、参加者は共に繁栄する未来を探究します。
本ゲームは、参加者が自然環境や多様な存在の立場に立って学ぶため、事業デザインを革新する大きなきっかけとなります。長期的な視点で考えることの重要性に気付かされることでしょう。
開発背景
本ゲームは、海光物産が2016年から取り組んできたサステナブル漁業のプロジェクトを背景にしています。UMITO Partnersの村上と海光物産の大野が出会い、共有した理念に基づいて開発されました。
現在、同社はスズキやコノシロの資源調査を行い、慣習的な漁業に代わる持続可能な操業を実践しています。広く社会に持続可能性の重要性を伝え、未来の海洋資源を守る活動を続けています。
今後の展開
UMITO Partnersは、今後も企業向けの研修を通じて持続可能な社会づくりを進めていく予定です。2025年には東京での大規模なイベントを開催するなど、関心を集める取り組みが続く予定です。
特に、サステナブルなスズキをテーマとした食の体験イベントも企画されています。この機会に、参加者は自らが学んだ知識を食を通じて体感することができます。
まとめ
「リジェネラティブな事業探究ゲーム」は、単なる研修ではなく、参加者が自身の考えや価値観を再評価し、持続可能な未来に向かうステップを踏むきっかけとなる重要なプロジェクトです。海と人のポジティブな関係を築くための新しいアプローチを提供し、広く社会に影響を与えることを目指しています。