急成長するスマートカー市場における日台の産業連携の重要性
2024年10月30日、東京のオークラで「2024台日産業連携架け橋フォーラムin東京」が行われました。このフォーラムでは、急速に発展するスマートカー市場におけるカーエレクトロニクスのサプライチェーンの重要性がテーマとされ、多くの業界リーダーが一堂に会しました。
世界的に見ても、スマートカーの需要は急成長しており、特に電動車やV2X、スマートコックピットの技術が注目されています。フォーラムでは、これらの新技術を支えるサプライチェーンの構築がどうあるべきか、熱心な議論が交わされました。参加者は、国境を越えた地域協力が不可欠であることを強調し、特に日台の連携が今後の発展に大きな役割を果たすであろうとの見解を示しました。
フォーラムの主催者である財団法人資訊工業策進会(資策会)には、デンソーやパイオニア、ASTEMO、AGCなど、日本を代表するカーエレクトロニクスメーカーが名を連ね、日台からは120名以上の専門家が参加。彼らの議論には、サプライチェーンの柔軟性やAIチップの重要性など、具体的な課題解決のための視点が盛り込まれました。
資策会の洪春暉所長は、日台間の電動車サプライチェーンにおけるビジネスチャンスを深く掘り下げ、今後のAIセンサーやADAS技術における協力モデルの可能性について言及しました。特に、台湾企業はスマートコックピットや車載システムのハードウェアとソフトウェアを融合した高度なソリューションを提供できる立場にあり、日本の自動車メーカーにとっての理想的なパートナーになり得るという見解を述べました。
また、台湾先進車用技術発展協会(TADA)の副分会長である林根源博士は、台湾のスマートカー産業がICTサプライチェーンの強みを活かして、電動化の基盤をしっかりと築いてきたことを強調。AIモデルを駆使して車両のスマート化も進めているとし、今後の協力の重要性を訴えました。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの島村哲生ディレクターは、日本と海外の電動化の状況を比較しながら、日本が新たな国際協力モデルを求めている様子を説明。自動車の電動化に向けた協力の必要性を強調しました。
聯發科技の曹希康処長は、次世代車載チップの設計や生成AIの導入が、ソフトウェア定義型自動車(SDV)におけるユーザー体験をどのように向上させるかについての知見を共有しました。さらに、AUO Japanの石橋浩司社長は、新しいスマートコックピットソリューションの発表や外部ディスプレイ技術の革新について紹介しました。これらの発表は、日台間の技術的な連携の可能性を示すものとなりました。
このように、フォーラムでは日台のカーエレクトロニクス市場における協力戦略が議論され、各自が得た情報や知見が今後の活動にどのように生かされるかが期待されています。両国の企業が連携を深めていくことで、グローバルなスマートカー市場での競争力が一層強化されることが期待されます。