世界遺産カサ・バトリョの新たな展覧会
2026年、ガウディ没後100年という節目の年に、バルセロナの世界遺産「カサ・バトリョ」が新たな現代アート展示空間をオープンします。この展示スペースは、英国のアーティスト集団「United Visual Artists(UVA)」の主宰するマット・クラークによる新作パブリック・アート《Hidden Order(ヒドゥン・オーダー)》を初めて披露するために設けられています。
ファサード・マッピングイベント
特別なイベントは、2026年1月31日と2月1日の2日間にわたり、無償で一般公開される予定です。この期間中には、光や音、動きを巧みに融合させたオーディオビジュアル作品が、ガウディの代表作であるカサ・バトリョのファサードで展開されます。このプログラムは、毎年数万人を集める人気イベント「ファサード・マッピング」の第5回目にあたります。
見えない秩序をテーマにしたアート
《Hidden Order》は、「生成」「出現」「混沌」「変容」といったテーマを持った循環的なオーディオビジュアル・パフォーマンスです。一般的に無秩序に見える現象の内部には、幾何学や自然法則に基づく「見えない秩序」が存在するという考え方を基にしています。この作品は、ガウディ・イヤー2026の公式モットーである「L’ordre invisible(見えない秩序)」とも非常に緊密に結び付いています。
ダンスと音楽とのコラボレーション
パフォーマンスには、国際的に称賛される振付家でありダンスアーティストの高瀬文子が参加し、彼女の身体表現がモーションキャプチャ技術を用いて記録され、ファサードに投影されます。美しい特有のガウディ建築の曲線や質感に合わせた舞踏は、建築物を「背景」としてではなく「対話の相手」として扱う新たな試みです。
また、音楽はベルギー出身の作曲家ダニエル・J・ティボーによるもので、自然や幾何学から着想を得たオリジナルスコアが、視覚と動きと同調しながら構築されています。これにより、観客は建物自身が「声を持っている」かのような没入体験に引き込まれます。
展示が内部へ拡大
さらに、今回のアートプロジェクトでは初めて内部空間にマッピングが行われ、《Hidden Order》の思想を深める展覧会《Beyond the Façade(ビヨンド・ザ・ファサード)》がカサ・バトリョの2階新設現代アート展示空間にて開催されます。この展示では、映像や光、キネティック・スカルプチャーを通じて、時間やシステムに関する哲学的考察が表現されます。また、13世紀の思想家ラモン・リュイの考えも参照され、自然を「秩序ある体系」として理解したガウディの思想が重ね合わされています。
ガウディの遺産と現代の共鳴
2026年はカタルーニャ自治政府とスペイン政府によって「ガウディ・イヤー2026」として公式に位置づけられ、バルセロナは同年「世界建築首都」にも選定されます。このプロジェクトは、単に過去の歴史を称えるのではなく、ガウディの遺産を現代的な創作に刺激を与え続ける“生きた枠組み”として捉え直すオリジナルな試みであり、文化の継承と革新を共に享受することが期待されます。
開催概要
ファサード・マッピング(パブリック・アート)
- - 作品名:Hidden Order
- - 日程:2026年1月31日(金)・2月1日(土)
- - 時間:19:45〜22:45(約30分ごとの上映、各回約11分)
- - 料金:無料
展覧会
- - 展覧会名:Beyond the Façade
- - 会期:2026年1月31日〜5月17日
- - 会場:カサ・バトリョ(新・現代アート展示空間)
- - 料金:カサ・バトリョ入場チケットで鑑賞可能(展覧会単独チケットも販売予定)
この祝祭を通じて多くの人々がガウディの思想に触れ、彼の遺産がいかに現代社会に息づいているのかを実感できることを願っています。