離島地域の持続的発展に向けたコンサルタントの役割とは
2025年4月24日、アクシスコンサルティング株式会社によるセミナーとパネルディスカッションが行われました。このイベントでは、離島地域の課題を解決するコンサルタントの重要性が議論され、国土交通省の担当者や佐渡島で活動する地域活性化の実践者が登壇しました。
離島の現状と課題
まず、国土交通省国土政策局離島振興課の羽藤淳氏が日本の離島の現状について話しました。日本には14,125の島がありますが、その中で256島が離島振興法の支援対象とされています。離島は、昭和30年から令和2年の間に約65%もの人口減少が見られ、その過半数が人口100人未満という厳しい状況に直面しています。その結果、高齢化や財政難が進行し、持続可能なまちづくりには官民の連携、ならびにICT技術の導入が不可欠であると指摘されました。
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スマートアイランド構想
国土交通省は、ICTを駆使して離島地域の課題を解決していく「スマートアイランド」構想を掲げ、令和6年度には「スマートアイランド推進プラットフォーム」が設立される予定です。このプラットフォームでは、離島自治体と技術を提供する企業を結びつける役割を果たすとともに、外部のコンサルタントが果たすべき役割の重要性が再認識されています。
コンサルタントの重要な役割
次に行われたパネルディスカッションでは、佐渡島の地域活性化に取り組む3名の専門家が登壇しました。Oi&Tas株式会社の桑江英将氏、古民家再生に関わるMinkaLife株式会社のローランド・トンプソン氏、そして地元の川上工務店代表の川上巧氏がそれぞれの意見を交わしました。
コンサルタントが介在する意義
参加者らは、外部からの視点が地域の価値を再評価するカギになると強調しました。古民家の備品や地元の食材が外部の目で文化的な観光資源として評価されることもあると述べ、特に信頼の構築がコンサルタント業務において重要であるとしました。
川上氏は、「島の方にとってコンサルタントは信頼を築くことから始まる」と述べ、実際に現地に入って活動することの重要性を強調しました。また、桑江氏は「異文化コミュニケーションにおいては、泥臭さと粘り強さが求められる」と語りました。
難しさを乗り越えるために
離島支援における難しさを乗り越えるために、参加者はいくつかの糸口を示しました。特に「一緒に汗をかく信頼が不可欠」とし、実際の行動が地域住民との信頼関係を構築するために必要であると発言しました。外部の専門家が地域に根ざした形で活動することが、地域の活力を取り戻す鍵になると考えられています。
まとめ
離島地域は複雑な課題を抱えていますが、外部からの知見や視点が新たな解決策を生む可能性を秘めています。このセミナーは、官民を問わず、離島支援に関わるコンサルタントの役割や覚悟を再認識させる重要な機会となりました。アクシスコンサルティングは、今後も専門家を最適に配置し、地域の課題解決と人材育成を推進していく方針です。
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