三菱電機が新しいHVIGBTモジュールを発表
三菱電機株式会社は、2023年5月1日に新しいパワー半導体製品である「HVIGBTモジュールXBシリーズ」を発売します。この製品は、耐電圧3.3kV、定格電流1500Aを特徴としており、鉄道車両などの大型産業機器向けに設計されています。独自のダイオード及びIGBT素子、さらに特許技術のチップ終端構造を採用し、耐湿性能の向上を実現しています。
パワー半導体の重要性
近年、脱炭素社会の実現に向けた技術が求められており、その一環としてパワー半導体の役割が増しています。特に大型産業機器に使われるパワー半導体は、鉄道や電源装置などのインバーターで重要な役割を果たしています。このため、電力変換効率の向上や、厳しい環境下でも安定動作する耐湿性能が求められています。
新製品の特徴
高い効率と信頼性
今回のHVIGBTモジュールXBシリーズは、従来製品よりもトータルスイッチング損失を約15%低減し、インバーターの高効率化に寄与することが知られています。また、独自のRFCダイオード(Relaxed Field of Cathode)を採用することで、逆回復時の安全動作領域、すなわちRRSOA耐量を約25%拡大しました。これにより、インバーターの信頼性も向上しています。
耐湿性能の向上
加えて、チップの終端領域には新たな電界緩和構造と表面電荷制御構造を採用しています。これにより、終端領域を約30%低減しつつ、従来製品の約20倍の耐湿性能を実現しました。これにより、高湿度環境下においてもインバーターの安定稼働が期待されています。
開発期間の短縮
さらに、HVIGBTモジュールXBシリーズは、外形サイズや電極端子の配置が従来製品と同一であるため、置き換えが容易になりインバーターの開発期間を短縮できるという利点もあります。
出展情報
この新製品は、2025年5月6日から8日までドイツ・ニュルンベルクで開催される「PCIM Expo & Conference 2025」にも出展予定です。これにより、多くの関係者に直接その性能をアピールするチャンスとなります。
まとめ
三菱電機の新しいHVIGBTモジュールXBシリーズは、環境に優しいエネルギー利用を支える重要な技術といえるでしょう。高効率、高信頼性、耐湿性能の向上を実現し、脱炭素社会への次なる一歩をサポートする製品として、今後の活動が期待されます。私たちは、これからも持続可能な未来に貢献するための技術革新を続けていくと言います。
ぜひ、三菱電機の
パワー半導体デバイスウェブサイトを訪れて、詳細な情報をご確認ください。