ギリアド・サイエンシズが発表した2025年第1四半期の業績詳細と今後の展望

ギリアド・サイエンシズの2025年第1四半期業績

2025年4月24日、ギリアド・サイエンシズは2025年第1四半期の業績を発表しました。結果は、前年同期比での製品売上高の増加というポジティブな結果を示しています。本記事では、業績の詳細や今後の見通しについて深く掘り下げていきます。

売上の概要

2025年第1四半期のギリアドの総収益は67億ドルであり、この数字は2024年同期と同水準でした。しかし、特筆すべきは、ベクルリーを除く製品売上高が63億ドルに達し、前年同期比で4%の増加を記録したことです。この成果は、主にHIVおよび肝臓疾患関連製品の売上増によるもので、これらの領域では需要が増大しています。

ギリアドの会長兼CEO、ダニエル・オデイ氏は、この結果を受けて「今年も販売面と臨床面での優れた結果により好調なスタートを切りました」と述べており、特にビクタルビの成長を挙げています。ビクタルビの売上は31億ドルで、前年同期比7%増となりました。

製品売上の内訳

HIV製品は特に好調で、46億ドルの売上を達成。これに貢献したのは、需要の増加と平均実勢価格の上昇です。また、デシコビの売上は前年対比で38%増の5億8600万ドルに達し、その成長は主に価格の上昇によるものです。

一方で、肝臓疾患領域の売上も7億5800万ドルと前年同期比3%の増加を見せています。これまでのデータから、C型慢性肝炎ウイルス製品に関しては価格が下がっていますが、それでもその他の製品が売上を押し上げています。

元々の利益に関する指標である製品売上総利益率は76.7%となり、前年の76.6%から少しの改善を見せていますが、コスト管理の観点から依然として課題があります。総営業キャッシュフローは18億ドルで、安定した財務状況を維持しています。

重要な研究開発の進捗

ギリアドは、特にトロデルビとペムブロリズマブの併用投与に関する期待される結果を示しています。これは、一次治療としての承認を得る可能性が高まっており、HIV予防用のレナカパビルも前進しています。FDAはその新薬承認を進めており、PDUFA期日として2025年6月19日が設定されています。

今後の展望

ギリアドは2025年の総売上高見通しを286億ドルに設定しており、むしろこの数字は安定した成長を示しています。特に、将来的な製品の上市や新たな治療法の開発に対する期待が高まっています。CEOのオデイ氏は、「多様なパイプライン全体での進展が期待できる」と語り、今後の事業計画に自信を見せています。

2025年第1四半期の業績は、ギリアドにとって新たな成長のステップとなる可能性を秘めています。市場の動向を注意深く見守りつつ、医療の革新を進めるギリアドの今後に期待が寄せられます。