世田美レジデンス報告会
2024-11-12 13:58:38

世田谷美術館×アートネットワーク・ジャパン「Performance Residence in Museum 2024-25」滞在報告会レポート:短歌を詠むダンサー涌田悠が表現した『日常とアートのあわい』

世田谷美術館×アートネットワーク・ジャパン「Performance Residence in Museum 2024-25」滞在報告会レポート:短歌を詠むダンサー涌田悠が表現した『日常とアートのあわい』



2024年11月24日(日)、世田谷美術館では、身体表現やパフォーマンス表現を行う若手アーティストを対象としたアーティスト・イン・レジデンス(AIR)プログラム「Performance Residence in Museum 2024-25」の滞在報告会が開催されました。

今回の滞在アーティストは、短歌を詠むダンサー/振付家の涌田悠さん。10月から11月にかけて計15日間、世田谷美術館に滞在し、美術館空間や作品、来館者との触れ合いを通して、多くの短歌を詠み、身体表現の実験を重ねました。

報告会では、涌田さんが滞在中に取り組んだ活動内容や生まれた作品を紹介するトークセッション、参加者も一緒に美術館空間を体感するワークショップ、そして涌田さんが滞在中に生まれた短歌を基にしたダンスパフォーマンスが行われました。

涌田悠さん、美術館での15日間



涌田さんは、「からだとことばで世田美と触れ合う!~日常生活とアート/アーティストと鑑賞者のあわいを繋ぐ営みとは?~」をテーマに、美術館という空間と作品、そして来館者や美術館スタッフとの交流を通して、日常とアートの境界線を探求しました。

美術館の空間を身体で感じ、作品を鑑賞し、様々な人と出会い、その体験を短歌に込めていく。涌田さんは、言葉と身体表現を通して、美術館という場所が持つ「日常とアートのあわい」を、より深く、多角的に理解しようと試みていました。

報告会の様子



報告会は、涌田さん、世田谷美術館の吉田絵美学芸員、そしてプログラムディレクターの米原晶子さんのトークセッションから始まりました。涌田さんは、滞在中に生まれた短歌をいくつか紹介しながら、美術館での生活や制作活動について語りました。

「美術館という空間は、私にとって、日常とアートが重なり合う場所でした。作品を見るだけでなく、作品が置かれている空間や、そこにいる人々の動き、空気感、それら全てが、私の五感を刺激し、短歌を生み出す源泉となりました。」

涌田さんの言葉からは、美術館での滞在が、単なる制作活動ではなく、自分自身と向き合い、新たな表現の可能性を探求する貴重な時間であったことが伝わってきました。

ワークショップ「からだと言葉で世田美を味わう」



トークセッション後には、涌田さんが主宰するワークショップ「からだと言葉で世田美を味わう」が開催されました。参加者は、涌田さんの指導のもと、身体をゆったりとほぐしながら感覚をひらいてゆくワークを行い、美術館空間を五感で味わう準備をしました。

その後、美術館の展示室や庭園を散策しながら、普段とは違う視点で美術館を観察。涌田さんの言葉や身体表現を通して、参加者たちは日常とアートの境界線を意識し、自分自身の感覚を研ぎ澄ませていきました。

ダンスパフォーマンス



ワークショップの後には、涌田さんが滞在中に生まれた短歌を基にしたダンスパフォーマンスが行われました。涌田さんは、短歌の言葉とリズムを身体表現に昇華させ、力強くも繊細な動きで、滞在中の体験や想いを表現しました。

会場からは、息をのむような静けさの中、時折、感嘆の声が漏れていました。参加者たちは、涌田さんのダンスに魅了され、短歌の言葉と身体表現が織りなす世界に引き込まれていました。

涌田悠さんの挑戦



今回の滞在報告会を通して、涌田さんは、短歌という伝統的な表現形式と、身体表現という現代的な表現形式を融合させ、美術館という空間を舞台に、新たな表現の可能性を追求していることを示しました。

涌田さんの挑戦は、私たちに、日常の中に存在する美しさや、アートが持つ力、そして言葉と身体表現が持つ可能性について、改めて気づかせてくれるものでした。

最後に



今回の滞在報告会は、単なるイベントではなく、アーティストと鑑賞者が共に学び、創造性を育む場となりました。涌田さんの挑戦は、今後も多くのアーティストや鑑賞者に影響を与え、美術館という空間の可能性を広げていくことでしょう。


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会社情報

会社名
特定非営利活動法人アートネットワーク・ジャパン
住所
東京都豊島区池袋本町4-36-1旧文成小学校 2F
電話番号
050-5527-2731

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