日立が開発したAI解析技術について
日立製作所は、通信キャリアなどでの日々のネットワーク運用や設計に役立つ新たなAI解析技術を開発しました。この技術は、ネットワーク監視、障害対応、機器の設定変更、工事計画などの多様な業務を効率的に支援することを目的としています。これまでもネットワークの運用には複雑なデータが関連していましたが、特に「非構造化データ」と呼ばれる形式が多く存在し、従来のAI技術では十分に活用できないという課題がありました。
非構造化データの課題
通信業界では、ネットワーク構成図やトラブル対応の記録といった、決まった形式を持たないデータが多数存在します。これらはスライド形式のファイルやテキスト情報として保存されており、非常に多様です。非構造化データは、必要な情報をすぐに取り出すことが難しいため、障害を特定したり業務を自動化したりする上でハードルとなっていました。
新たなAI解析技術の特長
日立の新技術は、こうした非構造化データの解析を可能にするものです。具体的には、まず初めにXML情報と画像情報を用いてデータを解析し、次にそれらの解析結果を照合することで、より高精度の認識を実現します。公開ネットワークモデルであるJPNMを使用した検証においては、約80%の自動認識精度を達成できる見込みが得られました。この結果により、現場で日々蓄積される貴重な情報を利用可能な形で提供し、運用の効率化を図ることが期待されています。
未来への展望
今後、日立は通信キャリアやデータセンター事業者と連携し、実証実験を通じて本技術の実用性をさらに検証する計画です。その結果を踏まえて、サービス品質の向上や現場スタッフの業務負担の軽減にもつなげていく予定です。また、鉄道や電力などの社会インフラ分野への展開も視野に入れています。日立はこの技術をLumada 3.0の基盤技術の一環として強化し、安全で安心できるデジタル社会の構築に貢献する意向です。
公開予定
この技術に関する詳細は、2月11日から13日に大阪で開催されるJANOG57ミーティングにて発表される予定です。今後の進捗や利用事例に関しても、日立の研究開発ウェブサイトで紹介されることが期待されます。
この新たなAI解析技術は、複雑な業務を支える大きな力となり、通信業界の現場での活用が期待されています。日立が提案する未来のネットワーク運用がどのように進化していくのか、注目が集まります。