福岡麻生医療福祉専門学校、認知症フレンドリーセンター見学の意義とは

福岡麻生医療福祉専門学校の新たな学び

福岡県の福岡麻生医療福祉＆保育専門学校の社会福祉科1年生が、認知症に関連する知識を深めるため、「認知症フレンドリーセンター」を訪問しました。この見学は、現代の福祉が目指す「共生社会」の重要性を実感し、今後の支援活動への展望を描く貴重な体験となりました。

認知症フレンドリーセンターとは

2017年にスタートした「福岡100プロジェクト」の一環として設立されたこのセンターは、自分らしく生きるための持続可能な社会を目指しています。具体的には、認知症の人々が安心して暮らせる社会を実現するため、まちづくりの中心として機能しています。

センター内では、交流イベントが開催されたり、認知症の方が利用できるカフェが併設された談話室などが設けられています。また、認知症の方のニーズに基づいた製品やサービスを展示するスペースもあり、さまざまな工夫が感じられます。

ユニバーサルデザインの重要性

見学では、東京オリンピック2020でも注目を浴びたユニバーサルデザインに関する話題が取り上げられました。通常の施設では、視認性を高めるために館内案内の目線が高い位置に配置されますが、認知症フレンドリーセンターでは、訪れる人々の視線に合わせた設計がされています。これにより、認知症の方々の不安を軽減し、快適に過ごせる環境を提供しています。さらに、認知症の方の生活をサポートするためのロボットについても実演され、学生たちは福祉の進化を目の当たりにしました。

AR体験による意義

特に印象深かったのは、認知症の方が抱える視野の変化を疑似体験できるAR（拡張現実）体験です。この専用エリアでは、認知症の理解を深めるためのプログラムが用意されており、学生たちはその技術を通じて、当事者の気持ちを理解することができました。こうした体験を通じて、彼らは「当事者の気持ちに寄り添うとはどういうことか」を深く考えることができました。

ソーシャルワーカーの役割

見学の日には、センターの立ち上げに関与していたソーシャルワーカーによる講話も行われました。彼は、ソーシャルワーカーの仕事の本質について語り、「地域課題を発見し、それを形にする力」が求められると強調しました。この話に触発された学生たちは、福祉の現場で新たな挑戦をしたいという思いを抱くようになりました。

福祉の未来へ向けた取り組み

現在、日本は高齢化が進んでおり、福祉の役割がますます重要になります。福岡県においても高齢者の単身世帯が多く、共生社会の実現に向けた支援が急務とされています。今回の見学で目にしたロボットや、地域課題に取り組むソーシャルワーカーの姿は、学生たちが「自分たちに何ができるのか」を考える大きな契機となりました。