鉄廃材でボールマーカー
2025-12-30 08:33:29

鉄製廃材を活用したゴルフ用ボールマーカーの取り組みとその未来

鉄製廃材をアップサイクルしたゴルフ用ボールマーカー



環境問題がますます深刻化する中、持続可能な取り組みが求められています。そんな中、埼玉県内の企業が注目を集めている現象があります。それは、四輪車用の電動パワーステアリング部品から発生する鉄製端材を利用したゴルフ用ボールマーカーの製造です。この取り組みは、サーキュラーエコノミーの実現に向けた一歩として評価されています。

環境への影響と新たな挑戦



当社が製造する部品の工程では、年間約24トンもの端材が発生します。通常、この端材は再利用のために電炉で溶解されますが、その過程で膨大なCO2が排出されることが問題視されていました。そこで、端材を無駄にせず、新たな形で再利用できる方法を考案したのです。

アイデアのきっかけとなったのは、端材のサイズ感がゴルフ用のボールマーカーに似ていることでした。この発想から、廃材をゴルフボールマーカーとして商品化する計画が生まれました。そして、埼玉県産業振興公社の補助事業化支援として採択されました。この支援は、循環経済のための取り組みを進める企業に対して行われています。

サーキュラーエコノミーの実現



今回のプロジェクトは、従来の"作って、使って、捨てる"という線形の経済モデルを見直し、廃棄物を出さずに有効利用することを目指しています。企業は、このような取り組みを通じて持続可能な発展のモデルケースとなることを重視しています。

しかし、商品の製造にはいくつかの課題もありました。その中でも特に錆の発生が問題視され、対策として防錆処理が施されることとなりました。加飾による表面処理が選択され、鍍金、塗装、コーティングの手法が採用され、さらに企業名やロゴをレーザー刻印するオプションも提供されます。

ゴルフマーカー市場と今後の展開



ゴルフマーカー市場は拡大を続けており、2022年度の市場規模は3292億円、2023年度は3184億円と、高水準を維持しています。2030年には年平均2.6%の成長が見込まれるこの市場で、アップサイクルされた鉄廃材のマーカーは大きな可能性を秘めています。

また、本事業はスクラップ処理を通常行っている金属端材が、新たな形で有効利用されることの重要性を広く訴えるものでもあり、エコプロ2025に出展した際には多くの賛同も得ました。3日間で101件のアンケートが集まり、その約40%が「使ってみたい」と回答しました。

今後はこのマーカーだけでなく、他のゴルフ用品や生活雑貨へも展開を視野に入れ、販売先を広げる計画です。環境配慮型の製品として、企業ゴルフコンペやCSR活動の記念品、そしてノベルティとしての需要も見込まれています。

まとめ



この取り組みは、環境問題への対策と新たなビジネスのチャンスを同時に追求するものであり、今後の発展に期待が寄せられています。鉄製廃材のゴルフ用ボールマーカーがさらなるイノベーションをもたらし、持続可能な社会の実現に向けて大きな一歩となることを願っています。


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会社情報

会社名
株式会社日伸精工
住所
埼玉県朝霞市上内間木350⁻3
電話番号
048-456-1188

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