日本の技術力が誇る、新型のフェムト秒レーザ加工機「LSP4040」が市場に登場しました。この機械は、特に熱影響を抑えた精密な加工が可能な点が特徴です。加工に使用されるフェムト秒レーザは、瞬時に明るいパルスを発光し、従来の方法よりも遥かに短い時間で照射を完了します。これにより、加工物への熱の影響を最小限に抑え、ひび割れやデブリの発生を防ぎます。この技術は特にセラミックスや光学ガラスなど脆性材料の加工に理想的です。
カスタマイズ可能なレーザ発振器
「LSP4040」では、顧客のニーズに合わせたレーザ発振器のカスタマイズが可能です。特定のメーカーや仕様にも柔軟に対応できるため、各種産業で必要とされるレーザ仕様に対しても最適な装置を提供できます。例えば、IR、グリーン、UVの3波長に対応するレーザや、高出力、また高周波レーザなどの選択肢が用意されています。
AIによる加工経路の最適化
この加工機には、AIによる経路最適化機能も搭載されています。これは、スキャンフィールドを超える形状を加工する際に、XY軸をステップ移動させて最短経路を算出することが可能で、加工時間を大幅に短縮します。このシステムにより、効率的な加工が実現し、生産性の向上にも寄与します。
集塵機能と精度維持
さらに、トルネード式集塵ノズルが配置されており、レーザ加工中に発生する金属蒸気を効果的に回収します。ジェット気流を利用して加工ポイント周辺の環境を安定化させるので、常に高い加工品質が保証されます。
周囲の温度が変化した際の光軸のズレを防ぐために、密閉構造のカバーと±0.1℃で精密に調整された空調を備えており、レーザ加工の品質を維持することが可能です。さらに、加工後の形状を機上で確認できるように、CCDカメラとレーザ変位計が設置されています。
使用例とスペック
「LSP4040」の実際の使用例としては、ナノ多結晶ダイヤモンド工具の形状加工が挙げられます。従来の工具研削機を用いた加工方法に比べて、品質を保持しながら加工時間を数十時間から約1時間に短縮することができました。ちなみに、この設備の主な仕様としては、X、Y、Zの移動ストロークが400、400、200 mmで、最大レーザ照射範囲は465 x 465 mm。同時に最大積載質量は50 kgとなっています。
まとめ
新型フェムト秒レーザ加工機「LSP4040」は、多様なニーズに応えるカスタマイズ機能、先進的なAI経路最適化技術、加工環境の安定化技術を取り入れた革新性が魅力です。この技術革新によって、未来のものづくりの現場はさらに進化を遂げることでしょう。各種メーカーのレーザ発振器にも対応可能なため、ぜひ最寄りの営業所に問い合わせてみると良いでしょう。