株式会社イオレが、戦略的パートナーであるデジタルダイナミック株式会社と共に、九州に分散型AIデータセンターを本格的に建設することが決まりました。鹿児島県薩摩川内市にある入来工業団地での用地取得交渉を進めることで、同地域におけるAI計算リソースの強化を目指します。
この取り組みは、2025年11月を目指し進行中の「分散型AIデータセンター事業」に基づいています。イオレとデジタルダイナミックは、2025年6月にIAデータセンターおよびGPUサーバー事業に関する戦略的提携を結び、それ以来、両社は協力して分散型AIインフラの整備に注力してきました。
さらに、デジタルダイナミックは今秋に総務省からの支援を受け、九州地域でのデータセンター新設を発表。これにより、九州におけるAIデータセンターの必要な計算リソースを効率的に確保し、地域におけるデジタルインフラの強靭化を図ります。この新たなプロジェクトは、薩摩川内市の入来工業団地の4街区(約35,000㎡)に位置し、最先端のGPUサーバーを高密度に搭載できるデータセンターが予定されています。
特徴と計画の概要
この新しいデータセンターの最大の特徴は、次世代AI半導体の進化に適応した設計思想です。特に、発熱量が飛躍的に増加することを見込み、次世代ラックスケールデザイン「GB300 NVL72」規格を採用します。これにより、従来の空冷に加え、高効率な液冷システムがビルトインされることで、AI計算リソースの安定的な運用が可能になる見込みです。これにより、国内のAI開発事業者に対し、世界最高水準の計算環境を提供することを目指しています。
計画の概要として、敷地面積は約35,000㎡を予定しており、最大受電容量は19MW規模となる見込みです。これに伴い、「GB300 NVL72」を含む最新型GPU運用に対応した冷却システムやラックデザインが計画されています。
今後の展望と地域貢献
イオレはこのプロジェクトを通じて、デジタルダイナミック社そしてWOODMAN株式会社、トゥモロー・ネット株式会社と連携し、AIデータセンター活用モデルの社会実装を推進します。また、薩摩川内市における地域産業のデジタル化と雇用創出にも寄与し、効率的かつ環境負荷の少ない運用を目指す方針です。
特に注目すべきは、このデータセンターがAI学習・推論の両方において、高性能な処理能力を誇る点です。NVIDIAの次世代アーキテクチャを用いることで、従来のモデルに対し50倍の出力を実現する見込みです。このような技術革新は、AI産業全体に新たな可能性をもたらすことでしょう。
まとめ
このプロジェクトは、イオレとデジタルダイナミックの強力な連携が生み出すものであり、地域に根ざしたデジタルインフラの構築と持続可能な成長を実現するための重要な一歩となります。今後の進展が非常に楽しみです。