岡山の幻の米がフランスを魅了
2026年2月、フランス・パリで開催された「Vinexpo Paris 2026」に、岡山県赤磐市の利守酒造が出展しました。利守酒造は、幻の酒米「雄町」を復活させたとして名を馳せる酒蔵であり、この展覧会で特に注目されたのは、彼らのドメーヌ型酒造りの哲学でした。土づくりから酒造りに至るまで一貫した手法で、自社で栽培した雄町から生まれた日本酒の品質は、現地の専門家からも高く評価されました。
雄町の真価をフランスで試す
出展の目的は、赤磐市の「土」が育む雄町本来の旨味を、ワイン文化の中心地フランスで体験してもらうことです。また、得られた評価を地域に持ち帰り、地元の農家や住民にその価値を再認識してもらうことも狙っています。そうすることで、岡山の地元へのフィードバックを図っています。
現地での反応
Vinexpoでは、利守酒造の「酒一筋」が多くのソムリエやバイヤーから注目を集めました。特に、雄町を用いた酒のふくよかさや深みのある味わいは、「日本酒のイメージを変えた」との声が多数寄せられるほど。中でも、伝統的な山廃仕込の酒は、しっかりとした旨味と適度な酸味のバランスが評価され、フランスの肉料理、特に赤身肉やジビエと相性が良いとのコメントもありました。
また、「米から造る酒でありながら、まるでテロワールを感じる」という評価を受け、ドメーヌ型の酒造りに対する関心も高まりました。試飲ブースには訪れる人々が絶えず、酒の奥深さに驚かされる様子が目立ちました。このイベントでは、利守酒造の背景にある文化や土地の物語も大きな魅力となり、訪問者の心を掴みました。
備前焼ボトルの魅力
会場で特に注目を集めたのは、備前焼のボトルに入れられた「幻の米」でした。このボトルは、自社で栽培した雄町の稲わらを用いて製作されており、米づくりから酒造り、そして器に至るまで、地域の素材を通じた物語を伝える形となっていました。これに触れた多くの来場者が足を止め、ストーリーを耳に傾ける様子が見受けられました。
利守弘充のコメント
利守酒造の当主である利守弘充氏は、世界のソムリエやバイヤーに「酒一筋」を直接体験してもらえたことが大変貴重な経験だったと語ります。雄町の持つ旨味や彼らの酒造りへの真摯な姿勢に、多くの関心が寄せられたことに感謝の意を表しました。この経験を踏まえ、今後フランスを中心とした海外市場での展開を期待しています。
今後の展望
Vinexpo Paris 2026を契機に、フランス市場での具体的な商談が進行中です。現地では、雄町の持つ豊かな旨味の評価が高まり、パリの二つ星レストランからオーダーを受けるなどの前進が見られています。また、ヨーロッパ市場において新たなバイヤーとの関係も築かれ、雄町を使用した「幻の米」の出荷が始まっています。
今後も、利守酒造は土地の個性を生かした酒造りを発信し続け、特にフランスを中心にさらなる販路拡大に努めていく意向です。