新たな研修スタイル「リモトレ」
新型コロナウイルスの影響で多くの企業が従業員向けの集合研修を中止せざるを得ない状況が続いています。このような中、受講者のスキル向上が求められる時期に、従来の研修形式が限界を迎えています。特にハードスキルに関してはe-learningである程度学ぶことができますが、ソフトスキル、つまり対人関係や交渉力、マネジメント能力といったスキルの習得がクリティカルな課題になっています。
体験型学習の必要性
こうした背景から登場したのが、「リモトレ」という新しい研修プログラムです。「リモトレ」は、自宅や少人数サテライト会場を利用して、対面研修に近い形でコミュニケーションスキルを磨くことを目的としています。受講者がそれぞれの場所から参加できるため、大人数が集まるリスクを軽減しつつ、互いに協力して学ぶ体験が可能になります。これにより、職場での実践に再現しやすい効果が期待されています。
実施方法
「リモトレ」の研修は、スマートフォンやPCを使って実施されます。受講者は自宅から参加することも、最大で10人未満の受講者が集まったサテライト会場から参加することも可能です。講師は本部にいるため、ビデオ通話を通じてライブで研修を行います。
受講スタイルの多様性
- - 自宅型: 受講者が各自の自宅から参加
- - サテライト型: 3~7人が集まったサテライト会場を通じて研修
- - 混在型: 自宅参加者とサテライト参加者を組み合わせた形での研修
この柔軟な参加スタイルは、多様なニーズに応えるだけでなく、受講者同士のコミュニケーションを促進します。
実施事例
1. コミュニケーション研修
この研修では、参加者がそれぞれ受け取ったカードの内容を言葉だけで説明し合うことで、隠された法則を探り出します。全体での議論を通して協力し、正しい順序を導き出すことで、コミュニケーション力が養われます。所要時間は40分、参加人数は6人から32人まで対応可能です。
2. リーダーシップ/フォロワーシップ研修
この研修では、講師のいる本部で不安定な盤の上に置かれた人形を的確に指示することで、信頼感とその構築に必要な要素を体感します。指示を出す側と受ける側の相互信頼の重要性について深く学びます。所要時間は約50分、参加人数は6人から20人対応しています。
結論
「リモトレ」は、このような新しい研修方法として企業のニーズを捉え、リモート環境下でも効果的なスキル習得が可能であることを証明しています。特にコロナ禍において、職場で求められるスキルを実感を持って身につけるための有力な手段として注目されているのです。これからの時代、リモートでの体験型学習がさらに普及することでしょう。