ストラタシスとBASF社、3Dプリンター向け新材料で提携:自動車部品等の製造に革新をもたらす
3Dプリンター大手ストラタシスが、化学大手BASF社と提携し、3Dプリンター向けの新素材「SAF™ポリプロピレン(PP)」を開発した。この新素材は、2024年第4四半期に発売予定のストラタシスH350™プリンターで使用される。
SAF™ PPは、パウダーベッドフュージョン技術を用いて製造され、コスト効率と部品品質の両立を実現した画期的な材料だ。従来の材料と比較して、部品あたりのコストが低く、表面の仕上がりが優れている。さらに、大量生産の厳しい要求にも対応できる品質を備えている。
ストラタシスのアディティブ・マニュファクチャリング技術担当副社長、ニール・ホプキンソン氏は、「SAF PPは、1回の造形で何百もの部品を製造できるため、生産性とコスト効率が向上します。高品質な部品を低コストで提供できます。」と述べている。
SAF™ PPは、自動車、医療、スポーツ用品、工業など、幅広い分野での活用が期待されている。自動車部品では、ハウジングやダクトなどの製造に、スポーツ用品では、装具やすね当てなどの製造に、それぞれ耐久性、耐薬品性、柔軟性を提供する。
また、軽量で水や空気を通さないため、複雑な形状の部品の製造にも適しており、医療機器やセンサーの製造など、さまざまな用途で活用できる可能性がある。
Götz Maschinenbau 社の CEO フィリップ・ゲッツ氏は、「SAF™ PP部品の表面仕上げは、比類のないものです。微細なディテールの解像度と均一な外観は、私たちがこれまで見てきたどのPBF造形PPよりもはるかに優れており、最終製品のビジュアルアピールを大幅に向上させています。SAF™ PPの安定した品質は並外れています。SAF™PPの気密性と防水性は、さまざまな用途で信頼できる性能を保証します。」と、SAF™ PPの高い品質と性能を評価している。
BASF社 Forward AM CEO マーティン・バック氏は、「この新しいポリプロピレン材料の開発において、ストラタシスと協業できることを嬉しく思います。このパートナーシップは、工業メーカーのニーズに合わせた強固なAMソリューションを提供するという当社のコミットメントを強調するものです。私たちは共に、AM技術の採用を拡大し、お客さまをより成功に導くことを目指しています。」と、今回の提携による今後の展望について語っている。
今回のストラタシスとBASF社の提携は、3Dプリンターの分野における技術革新を加速させ、製造業のさらなる効率化と高品質化に貢献することが期待される。