熊本大学は、電動スクールバスの実証事業が「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞したと発表しました。これは、同大学が環境省事業を受託し、熊本県球磨村で行った全国初の取り組みで、脱炭素化、エネルギー地産地消、地域強靭化などの課題解決に貢献したことが評価されたものです。
この実証事業は、2021年から2023年にかけて実施され、電動スクールバスが日中の太陽光発電で充電し、夜間には地域に電力を供給するシステムを開発しました。さらに、災害時には非常電源としても機能するなど、地域社会に貢献する多機能性も実証されました。
実証試験では、2年間で1万4千キロメートル走行し、従来のマイクロバスと比較してCO2排出量を51%削減することに成功しました。さらに、熊本大学独自の充電制御技術により、正味CO2排出量をさらに15%削減できることも確認されました。
この成果は、電動スクールバスの実用性と効果を証明するものであり、電動マイクロバスの社会実装に向けた大きな一歩となります。熊本大学は今後も、学内外と連携し、カーボンニュートラルの実現に向けて積極的に取り組みを進めていくとしています。
今回の受賞は、熊本大学が長年取り組んできたカーボンニュートラル研究の成果を示すものであり、今後の研究開発に弾みをつけると期待されます。