香川県の恐竜化石
2024-07-26 16:00:47

香川県で発見された恐竜化石、記念すべきハドロサウルス類として認定!

香川県初の恐竜化石がハドロサウルス類として確認



香川県さぬき市で1986年に発見された背骨の化石が、岡山理科大学と東京都市大学の共同研究チームによって、ハドロサウルス類に特定されました。この成果は、2023年7月23日付けで国際学術雑誌「Paleontological Research」に掲載され、香川県における恐竜化石の研究に新たなページを加えています。

研究の背景と成果


当初、この化石は恐竜のものであると考えられていましたが、その正確な種類を特定するための証拠が不足していました。しかし、林昭次准教授を中心とする研究チームは、この背骨の形状を他の恐竜の化石と詳細に比較することで、ハドロサウルス類特有の特徴を見出しました。

具体的には、X線CTスキャナーを使用して化石内部の構造も分析。比較対象として国内外の34種類の恐竜標本を用い、次の特長からハドロサウルス類と特定されました。

1. 骨のサイズ: 胴椎の大きさが非常に大きく、大型の脊椎動物のものであること。
2. 外形の一致: ワニや海生爬虫類など他の白亜紀の大型脊椎動物と外形が一致しない点。
3. 形状の特徴: 前面から見た際のハート型の輪郭は、ハドロサウルス類特有の形状です。
4. 内部構造の類似: X線CTスキャンで観察された骨の内部構造が陸生動物、特にハドロサウルス類に類似していたこと。

化石の発見と重要性


この背骨化石は、1986年に丸亀市に住む金澤芳廣氏によって発見されました。発見当初はその正体が不明で、自宅で長い間保管されていましたが、2015年に大阪市立自然史博物館に寄贈されたことで、研究が本格化しました。

今回の発見は特に重要です。ハドロサウルス類の化石は、白亜紀のカンパニアン期末にあたりますが、この時期におけるユーラシア大陸最東端での発見例として、学術的にも貴重なものとなります。この成果は、香川県さぬき市が日本における恐竜化石の重要な産地であることを再認識させるものであり、今後の地層研究や恐竜の分布に関する知見を深める契機となるでしょう。

今後の展望


岡山理科大学と東京都市大学の研究チームは、今後もこの化石のさらに詳細な調査を進め、恐竜の生態や分布などについて新たな知見を提供していく予定です。この発見は、香川県における恐竜研究のさらなる発展につながることが期待されています。

今回の研究は、化石から得られる知見が地球の歴史や生物の進化を理解する手助けとなることを示しており、恐竜好きや科学に興味のある人々にとっても興味深いニュースです。


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