自然災害による事業所廃業数の推定とその影響に迫る
はじめに
自然災害が引き起こす影響は計り知れないものがあります。特に地域経済における事業所の廃業数の増加は、その影響の一つと言えるでしょう。応用地質株式会社が実施した調査によって、過去35年間で約33,000事業所が自然災害により超過廃業に至ったことが明らかになりました。これには多くの要因が含まれ、地震による影響が大きいことも分かっています。
1. 超過廃業事業所数の推定
応用地質株式会社の研究によると、1986年から2021年の期間に発生した自然災害により、約33,000の事業所が廃業に追い込まれたとされています。この数字は、過去35年間に廃業した全事業所の約0.5%に相当します。
2. 地震災害の影響
驚くべきことに、この超過廃業事業所数の90%以上が地震によるもので、特に1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災の影響が顕著に表れています。これらの大規模な地震は、多くの事業所に深刻な影響を及ぼし、再建を困難にさせました。
3. 廃業率を高める要因
超過廃業の率は、自然災害の被害の大きさだけではなく、地域特性も大きく影響します。具体的には、被害の規模、人口減少率、そして中心市からの距離などが要因として挙げられます。特に人口が減少する地域では、経営者の高齢化や復興後の見通しの不透明さが問題視されています。
4. 地域的な廃業リスクの分布
調査からは、廃業リスクが高い地域の特徴も見えてきました。平野部だけではなく、中山間地域や半島先端部でもリスクが高まる傾向が確認されました。特に、地震による揺れが大きくなる地域では、全壊率も高く、超過廃業率が増加していることが示されています。
5. 潜在的な廃業リスクの要因
過去のデータ分析では、災害による超過廃業率に影響を与える要因として以下の4点が挙げられました:
- - 被害の大きさ(全壊率)
- - 人口減少率
- - 津波被害の有無
- - 中心市からの距離
最も強く関係するのは全壊率であり、これは特に沿岸部や低地部において危険性が高まります。
6. 今後の取り組みと共創Labの役割
応用地質株式会社の共創Labは、気候変動や災害といった複雑な社会課題に対し、統合的な解決策を模索しています。この研究組織は、大学等との連携を通じて、研究成果を発表し、社会への還元を目指しています。将来的には、得られた知見を基にしたサービスやソリューションを展開し、地域社会における持続可能な発展に寄与することが期待されます。
結論
自然災害の影響で廃業に追い込まれる事業所の数は増加の一途をたどっています。これらの知見は、今後の災害対策や地域振興にとって極めて重要です。応用地質株式会社は、さらなる研究と実装を目指し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていくでしょう。