教育現場を支えるAI、「MITORU」の登場
教育同人社とAIスタートアップRecursiveが共同で開発したAIモデル「MITORU」が、2025年上半期にGoogle Classroomのアドオンとして提供される予定です。これは、児童が手書きした解答を自動で採点する画期的なシステムであり、教育現場の業務効率化や子どもたちの自立的な学びを支援するものです。
MITORUの仕組み
「MITORU」は、自分の手書きの解答をタブレットで撮影し、アップロードすることで、AIが自動的に丸付けをする仕組みです。現在対応しているのは、整数及び小数の四則演算の問題で、教師は採点作業の負担を軽減できるだけでなく、児童は解答をすぐに確認できるメリットがあります。これにより、紙の計算ドリルを用いての学習がよりスムーズに進められます。
このシステムの導入により、教師はGoogle Classroom上で課題の設定や提出状況の把握、フィードバックを一元的に管理することが可能となります。また、児童は解き直しを行う際も簡単に同じ手順で再提出ができるため、自己学習がしやすくなります。
教育現場の課題と解決策
最近、教育現場では教師の長時間労働や業務の煩雑さが深刻な問題となっています。このような状況を受けて、文部科学省は教育のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を掲げていますが、実際には紙教材への依存が高い日本の教育システムの中では、教師や保護者の丸付け業務が大きな負担となっているのが現実です。
そこで、教育同人社とRecursiveは「MITORU」を開発しました。このモデルは、授業時や宿題時における紙教材の自動採点を実現し、教師と児童の双方にとって効率的な学習環境を提供するためのものです。
開発のフェーズと今後の展望
MITORUの開発は、初期フェーズを経て第2フェーズに突入しました。ここでは特に、家庭学習(宿題)での活用に注力し、全国の小学校で導入が進むGoogle for Educationのプラットフォームとの統合を図っています。この結果、児童と教師の間での課題回収や丸付け、提出状況の管理がGoogle Classroom内で簡潔に行えるようになります。
特に注目すべきは、「MITORU」利用時の即時フィードバックです。児童は直ちに解答の正誤を確認でき、解き直しを実施することで、自発的な学びの促進が期待されます。また、Google Classroomのコメント機能を利用すれば、教師と児童間でより良いコミュニケーションも可能となります。病気などで登校できない際の対策としても有効で、個別最適な指導が行える環境の構築が進んでいます。
一般公開デモ体験
さらに「MITORU」のデモ展示が2025年4月に東京ビッグサイトで開催される第16回EDIX(教育総合展)で行われる予定です。この展示は一般の方への初公開となるため、多くの方に体験してもらえる貴重な機会です。
展示会の詳細
- - 会期: 2025年4月23日(水)〜25日(金)
- - 会場: 東京ビッグサイト南展示棟
- - 入場料: 無料(事前来場登録が必要)
まとめ
教育同人社とRecursiveは、今後も「MITORU」を進化させ、教育現場の負担軽減と児童の学びを支援するための新しい価値を提供していきます。これからの教育の在り方を変えていく「MITORU」の進化に目が離せません。