ベクターとMicrochipの新たな協業について
2026年3月、ドイツ・シュツットガルトと米国アリゾナ州のチャンドラーに本拠を置くベクターとMicrochip Technologyが、組み込みソフトウェアとマイクロコントローラの新たな協業体制を発表しました。この新しい協力関係は、特に小型制御ユニットにおいて、はじめから統合され、調整されたハードウェアとソフトウェアのソリューションを顧客に提供することを目的としています。
初期成果と提供されるソリューション
両社は既に、MicrochipのdsPIC33A DSC(デジタルシグナルコントローラ)用に、ベクターのMICROSAR IOを利用した軽量ソフトウェアベースのレイヤーを導入しています。このソフトウェアは、小型ECU(エレクトロニックコントロールユニット)向けに特化して開発されたもので、顧客は短い準備期間で開発を開始できるようになっています。さらに、プロジェクトリスクの低減や、開発プロセスの迅速化にも寄与することが期待されています。
MicrochipのJoe Thomsen氏は、「ベクターとの協業は、相互運用可能な実運用に対応した組み込みソリューションを提供するという我々のコミットメントの現れです。」と述べています。これは、顧客の開発を加速させ、コスト最適化されたECUの構築を可能にするものです。
SDVアーキテクチャに特化したメリット
この共同開発によるソリューションは、SDV(Software-Defined Vehicle)アーキテクチャにおいて、コストを重視しつつコンパクトなセンサー及びアクチュエータ制御ユニットに特化しています。これにより、従来の複雑なロジックを管理するために必要なハードウェアを効率的に運用し、システム全体の複雑さを軽減できます。従って、市場投入のスピードも加速し、開発における工数削減を実現することが可能になります。
また、MICROSAR IOはオープンなハードウェア抽象化インターフェースを採用しているので、他のMicrochipのハードウェアプラットフォームへも容易に移植でき、異なるメーカー間での相互運用可能なソリューションの構築を助けます。
評価バンドルのリリース予定
双方の企業は、MICROSAR IO評価バンドルの提供も計画しており、このバンドルにはサンプルアプリケーションやテクニカルサポートが含まれます。今後、ベクターのVector Download Centerを通じて無償で配布される予定です。
embedded world 2026での共同展示
この新しい組み込みソリューションは、2026年3月に開催される「embedded world 2026」で初めてお披露目されます。Microchipのブースでは、両社が共同でdsPIC33Aハードウェア上で動作するMICROSAR IOのデモ展示を行う予定です。ベクターのブースでは、さらに詳細な技術解説が行われ、エキスパートが来場者の疑問に答えるために待機しています。
企業情報
Microchip Technologyは、産業、車載、民生、航空宇宙、通信など幅広い市場セグメント向けに半導体ソリューションを提供しています。一方、Vector Informatikは、ソフトウェアデファインド・システムの開発を専門とし、自動車やIoT、医療など、様々な分野で活躍しています。この協業は、これまでの枠を超えた新たなマーケット可能性を開くものとなるでしょう。今後の展開に期待が寄せられます。