ヴァレオとZutaCoreが新たな冷却システムを発表
2025年1月7日、アメリカ・カリフォルニア州サンノゼにて、ヴァレオとZutaCoreは、AI工場向けのエネルギー効率の高いデータセンター冷却技術の開発において、重要な進展を報告しました。
この発表により、両社が開発した熱再利用ユニット(HRU)が量産体制に入り、特に水を使わない設計のHyperCoolシステムとの統合が進んでいることが注目されています。これにより、データセンターの運用が持続可能なものへと進化し、環境への影響が軽減されることが期待されています。
ヒートリサイクル技術の革新
ヴァレオの新しいHRUは、非常にコンパクトな3RU(ラックユニット)でありながら、驚異的な60kWの冷却能力を誇ります。このシステムは、ZutaCoreのHyperCool技術と連携することにより、GPUを使用したリアルタイムデモを可能にし、AI工場における高密度な冷却ニーズに応えます。今後の持続可能なパフォーマンスの新基準として、業界において注目を集めています。
環境への配慮とパートナーシップの強化
データセンターの信頼性向上と環境への配慮は、今や世界的に求められる課題です。ヴァレオのパワーディビジョンCEOであるグザヴィエ・デュポン氏は、「私たちの持つ自動車用サーマルシステムの知見を活かし、ZutaCoreとの提携を通じて、持続可能な冷却ソリューションの開発に取り組んでいることを非常に嬉しく思います」とコメントしています。
一方、ZutaCoreのCEであるErez Freibach氏も「HyperCoolは水を使わずに熱伝達機能を最大限に引き出すことができ、AI工場における新しいスタンダードを確立します」と強調し、このパートナーシップがもたらす未来に希望を寄せています。
ユーザーフレンドリーな設計と高効率
ヴァレオのHRUは、簡単なメンテナンスが可能で、通常の運用におけるダウンタイムを削減することに寄与します。また、このユニットは使用時に65°C以上の熱を効率的に処理できるため、冬季の建物暖房などにも利用可能です。
ZutaCoreのさらなる展望
ZutaCoreは、次世代の液体冷却技術を用いて、ゼロエミッションを実現するデータセンターの構築を目指しています。彼らの提供するHyperCool技術は、最高の持続パフォーマンスと電力使用の最適化を兼ね備え、今後のHPC、AI、機械学習の進展に貢献するものです。そして、カリフォルニア州サンノゼに本社を持つZutaCoreは、ヨーロッパやアジアにも拠点を構え、世界中での影響力を拡大しています。
この革新的な冷却技術が実際にどのようにデータセンターに導入されるのか、今後の動きに注目が集まります。両社の連携が切り拓く持続可能な未来は、私たちの生活にどのような影響を与えるのか、一層の期待が高まるばかりです。特に、持続可能な技術はこれからのデジタル時代において必要不可欠な要素であり、ヴァレオとZutaCoreの取り組みがその道を示してくれることでしょう。