瀧野川女子学園が生成AIを全校導入
2025年度より、東京都北区に位置する瀧野川女子学園中学高等学校は、教育機関向けに開発された生成AIサービス「exaBase 生成AI for アカデミー」を全校生徒に導入しました。これは、株式会社エクサウィザーズのグループ会社である株式会社Exa Enterprise AIが提供するもので、教育現場のICT化やDX推進が求められる中での先進的な取り組みとなっています。
導入の背景と検証内容
近年、教育現場においてもデジタルトランスフォーメーション(DX)が必要とされ、生成AIの活用によって新たな教育の可能性が模索されています。特に、瀧野川女子学園はICT教育や創造性・起業家精神の育成において全国での先進校として知られています。2024年度には、生成AIの活用に関する各種の検証が行われました。
この検証では、教職員向けのAIリテラシー教育基盤の構築や、教材開発、個別指導案の作成におけるAIの活用、さらには授業モデルの開発が進められました。これにより、AIを初めて使う教職員でも使いやすいプロンプトが実装され、教育現場での生成AIの有用性が証明されました。
2025年度の取り組み
全校生徒への本格的な利用は2025年度から開始され、具体的には段階的に展開される予定です。初めに探求学習やグループワークで生成AIを活用し、各学年の生徒が日常的に利用できる環境が整えられます。また、教育の現場では倫理観や情報リテラシーに関する教育も重視され、倫理的なAI活用についても継続的に最適化が進められます。
さらに、生徒の探求学習における情報収集や分析を高度化し、商品の企画やプロジェクトテーマの設定をサポートする機能も充実させることが計画されています。教職員は生徒のAI活用状況を把握し、個別に最適化された指導を行うことで、より効果的な教育が実現されるでしょう。
副校長のコメント
瀧野川女子学園副校長の山口龍介氏は、現在の教育が大転換期を迎えていることを指摘し、実社会で新たな価値を創造できる若者の育成が重要であると述べています。特に、同校では創造性教育を推進し、令和7年度にはキャリア教育優良学校として表彰されるなど、その取り組みは高く評価されています。
「exaBase 生成AI for アカデミー」が採用された理由は、実社会での能力育成やアウトプット思考を促進するために、生成AIの導入が不可欠と判断されたからです。これにより、生徒たちは日々の授業で最新の技術を活用し、AI学習を通じてクリエイティブな思考力を高めることが期待されています。
exaBase 生成AI for アカデミーとは
「exaBase 生成AI for アカデミー」は、教育機関向けに特化した生成AIサービスです。このサービスは、京都大学や神戸大学の知見を取り入れ、教員の業務負担を軽減し、学生の学習を支援することを目指しています。高度なセキュリティと、利用しやすいプロンプトのカスタマイズが可能な点が特徴です。生徒や教職員にとって、AIの活用はこれまで以上に身近なものとなり、教育現場での改革が進むことでしょう。
最後に、エクサウィザーズは今後も瀧野川女子学園の取り組みを支援し、教育DXの加速に貢献していくことを表明しています。