研修の効果を引き出すためのPDCAサイクル実践法とは
研修は、企業の人材育成において重要な役割を担っています。しかし、実際には「研修が無駄だ」と感じる現場の声も少なくありません。そんな中、株式会社Maxell's HOIKOROが提供する研修効果測定アプリ「TSUISEE」が注目されています。最近行われたオンラインイベント「HRダダ」では、研修の効果を測定し、その結果をどのように活用するかについての調査報告が公開されました。今回は、その後編を基に、研修の効果を高めるために有効なPDCAサイクルの活用法について考察します。
研修効果を測定する重要性
企業は数多くの研修を実施しているものの、その効果を実際に測っている企業はあまり多くありません。そこに潜む問題は、研修後の評価が満足度調査に留まり、研修の本来の目的を測定する指標が不足していることです。このような状況では、研修が本当に必要なものか判断することができず、無駄な研修が続いてしまう可能性があります。
前回のHRダダレポートでも触れられたように、研修内容に満足するかどうかの評価だけでは、研修の効用を正確に把握することはできません。あくまでも参加者の考えや感じ方に依存してしまい、本質的な改善につながらないことが多いのです。このような盲点を克服するためには、研修の効果を正確に測定し、PDCAサイクルをしっかりと実行することが不可欠です。
PDCAサイクルの効果的な活用法
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(確認)、Action(改善)のフレームワークで、製造業だけでなく様々な分野で広く活用されています。しかし、人事の研修において、このサイクルが機能していない企業も多いのが実情です。実施した研修内容を振り返らずに、そのまま次の研修に進む企業は少なくありません。
1. Plan(計画)
研修の目的を明確にし、どのような成果を期待するのかを具体化します。また、対象者に必要なスキルや知識をしっかり見極め、そのニーズに沿った内容を計画します。この時、参加者がどのように学びを現場で生かせるかを考慮することが重要です。
2. Do(実行)
計画ができたら、実際に研修を実施します。この段階では参加者がどのように学んでいるのか、事前に設定した目標に対してどのような成果が得られているのか、柔軟に観察を行うことが求められます。他の参加者との相互作用を促す手法も採用することで、研修の効果が高まることがあります。
3. Check(確認)
研修後は必ず効果を測定し、その結果を確認します。参加者の満足度や理解度だけでなく、研修内容が実際の業務にどれだけ活用されたかを評価することが鍵となります。収集したデータから次にどう改善すべきかのアイデアを得ることができます。
4. Action(改善)
確認した結果をもとに、次回の研修の計画を見直します。問題があった場合は、その原因を分析し、解決策を考えます。また、外部要因、特に上司や先輩からのサポートが研修効果に与える影響についても考慮し、職場環境そのものを改善する手段も考えます。
現場のサポートの重要性
研修の効果を高めるためには、受講者のモチベーションとエフィカシーを高めることが重要です。しかし、これらの要素は研修だけでは実現できず、研修後の職場環境や周囲のサポートが大きな影響を持ちます。上司や先輩が研修内容を日常的に適用するように指導することができれば、参加者にとってより実践的な学びを得ることができます。
まとめ
研修の無駄をなくし、効果を最大限に引き出すためには、PDCAサイクルの適切な活用が鍵となります。計画段階から効果測定を意識し、現場の状況を考慮しながら改善していくことが、真の人的資本経営を実現するためには不可欠です。このような視点から、今後の研修内容やプロセスを見直し、常に進化させていく必要があります。
詳細はHRダダレポート第六号をぜひご参照ください。レポートのダウンロードは
こちらから可能です。