横浜市とENEOS Powerの新たな取組
横浜市が持続可能な社会の実現を目指し、ENEOS Power株式会社と連携して新しい取組を開始しました。この取組は、家庭に設置された太陽光発電の余剰電力を効率的に活用し、再生可能エネルギーの地産地消を推進するものです。
1. 地産地消の理念
近年、地球温暖化が深刻な問題として取り沙汰される中、脱炭素社会の実現が急務となっています。横浜市は、2050年を見据えた脱炭素化計画を策定しており、その中で再生可能エネルギーの普及は最重要施策の一つと位置づけています。今回の取組は、横浜市が家庭の太陽光発電を地域全体の電力供給に繋げることで、エネルギーの自立を目指すものです。
2. 具体的な取組内容
この新たな連携の一環として、ENEOS Powerは公民連携の形で、家庭の卒FIT
1太陽光余剰電力を活用し、オフサイトPPA(Power Purchase Agreement)を通じて、その電力を他の需要者に供給します。この仕組みにより、地域内で生み出されたエネルギーが地域内で消費される、「地産地消」のモデルが確立されます。
第1号プロジェクトとして、横浜赤レンガ倉庫が選ばれ、2024年11月からこのシステムを導入することが決定しました。赤レンガ倉庫は、持続可能な社会を受け入れる姿勢で知られ、その事業活動においても蓄積されたエネルギーの使用を見直しています。
3. 環境への貢献
この取組の実施により、横浜市内の家庭で発電された太陽光エネルギーを利用することで、赤レンガ倉庫が使用する電力の約2割を地元の家庭のエネルギーから賄うことが可能となります。この結果、おおよそ440トンのCO2排出量削減が見込まれています。地域住民にとっても、エネルギー使用の意識向上に繋がることが期待されています。
4. 将来への展望
横浜市とENEOS Powerの取組は、単なる電力供給のモデルにとどまらず、地域全体で持続可能なエネルギーを提供し、生活の質の向上を目指すものです。市民の皆さんも、この新たな取組に参加し、自己の再生可能エネルギーを地域社会で利用する流れを作っていくことが求められています。今後、なお一層の取組の充実が期待される中、私たち一人ひとりが意識を持って行動することが重要です。
1: FIT(フィード・イン・タリフ)制度。再生可能エネルギーの固定価格買取制度。家庭の太陽光発電において、政府が一定の価格で電力を買い取ることを保障する制度。
この取組は、再生可能エネルギーの普及に大きな影響を与え、地域の未来を築く大きな一歩となるでしょう。