欧州初の使用済み自動車プラスチックリサイクルプロジェクト
三菱ケミカルグループが日本唯一のメンバーとして参加するGlobal Impact Coalition(以下、GIC)は、使用済み自動車のプラスチックリサイクルを目的とした実証実験を2025年2月から開始することを発表しました。このプロジェクトは、環境に優しい低炭素社会の実現を目指すもので、総勢7社の化学メーカーが共同で取り組む世界初の試みです。
参加する企業は、三菱ケミカル、BASF、Covestro、LyondellBasell、SABIC、SUEZ、Syensqoの7社で、欧州における使用済み自動車からのプラスチックリサイクルにフォーカスしています。この取り組みの特徴は、リサイクルチェーン全体を構築するための連携で、リサイクルに関わる各種プロセスを担う企業や団体との協力が求められています。
プロジェクトの概要
具体的には、100台の使用済み自動車からプラスチックを回収し、10種類のポリマーに分類します。各化学メーカーは、そのポリマー特性に応じたリサイクル方法を検証することになっており、実際にどのような体制で効率的に再利用が行えるかを探求します。このような大規模なクローズドループリサイクルの検証は、欧州連合(EU)が定めるELV指令にも適合しており、自動車用プラスチックの再利用促進に寄与することが期待されています。
GICによる共同開発
Global Impact Coalitionは、世界経済フォーラム(WEF)で設立されたプラットフォームで、各社のCEOが主導する独立した組織として機能しています。GHG(温室効果ガス)排出量の削減を目指し、循環型社会を実現するための技術やビジネスモデルの共同開発に力を入れています。今回のプロジェクトは、このプラットフォームの意義を具現化するものであり、各社の強みを活かした新たな手法を提案するものです。
持続可能な資源管理
三菱ケミカルグループは、環境に配慮したモビリティの進化を素材の観点から後押しするため、革新的な解決策を継続的に提供していきます。使用済み自動車のプラスチックリサイクルプロジェクトは、その一環として位置づけられており、未来の持続可能な社会のための重要なステップとなるでしょう。
持続可能な社会の実現に向けて、私たちの選択が未来を築くことを思い起こさせる取り組みです。今後の進展が待たれるこの実証実験は、世界中でのプラスチックリサイクル意識の向上にも寄与することでしょう。特に欧州においては、このモデルが他の地域にも波及することが期待されており、広範囲な影響を与える可能性があります。
参考リンク
このプロジェクトが成功することで、使用済み自動車からのプラスチックが持続可能な形で再利用され、低炭素社会の構築に向けた新たな道が開かれることを期待しましょう。