アートで結ぶ心 TSURUMIこどもホスピスに誕生した新たな空間
重い病気を抱える子どもたちのための希望の場
2022年に設立されたTSURUMIこどもホスピスは、日本初のコミュニティ型のこどもホスピスとして運営されており、主に寄付によって支えられています。ここでは、病気がもたらす制約から、子どもたちが解放され、笑顔で過ごせる場所を提供しています。
その一環として始まった「アートパーク構想」は、ホスピスの広場をアートで彩り、地域の方々にも開放することを目的としています。これにより、地域の人々と子どもたちがつながり、心温まる交流を生み出すことが狙いです。
レアンドロ・エルリッヒ氏の素晴らしい作品
このアートパーク構想の第一弾として、アルゼンチン出身のアーティスト、レアンドロ・エルリッヒ氏の作品が完成しました。彼の《Infinite Garden(無限のお庭)》は、鏡を巧みに使った不思議で美しいインスタレーションであり、見るだけでなく、実際に触れることができるという点が特徴です。これにより、病院や学校では感じることのできない新たな感情や体験を子どもたちに提供します。
彼の作品に含まれる「無限」というテーマは、時間の感覚や生きることの意味を問いかけています。レアンドロ氏は、どのように生きるかが重要であると考えており、この作品を通じて子どもたちが新しい世界への想像力を広げることを望んでいます。
アートで感じる喜びと希望
アートは単なる視覚的な表現にとどまらず、精神的な癒しやインスピレーションを与える力を持っています。重い病を抱える子どもたちは、時に孤独を感じることがありますが、エルリッヒ氏の作品を通じて新たな価値観や感情に出会い、希望を見出すことができると信じています。そしてその体験が、ただの「見る」ことを超え、彼らにとって生きる力となることを願っています。
設置の背景と故久野友子医師の想い
この作品の設置は、2022年に逝去された地域の小児科医・久野友子先生のご家族からの寄付によって実現しました。生前、久野先生は子どもたちの幸せを心から願い、ホスピスに多くの支援を行っていました。その想いを受け継ぎ、子どもたちを見守るアートとしてこの作品が生まれました。
オープニングイベントについて
《Infinite Garden(無限のお庭)》のオープニングイベントは、2025年4月26日・27日に行われる予定です。エルリッヒ氏が施設を訪れ、子どもたちと共に庭に植物を植えるなどの交流を行います。この素晴らしい経験を通じて、子どもたちがアートに触れ合い、心温まるひとときを過ごすことでしょう。
まとめ
TSURUMIこどもホスピスに叶えられたアートの空間は、医療の枠を超えて、心の豊かさを育む場所としての役割を果たします。エルリッヒ氏の作品が、重い病気を抱えた子どもたちと地域の人々をつなぎ、未来への希望となることを期待しています。アートは精神的な癒しを超え、私たちの心に新たな光を灯すものなのです。