福井県高浜町で開催された「ざわザワ高校~海の未来を変える哲学~#3」
2024年9月15日、福井県大飯郡高浜町において、メディアで活躍する堀潤氏と高校生が共に「海の未来」について考えるイベント「ざわザワ高校」が開催されました。このイベントは、海と共に歩む街の未来を描く目的で、特に地元に根ざした考え方を深掘りすることを目指しています。
取り組みの背景と目的
高浜町は、漁業や観光産業が盛んな地域です。これまでの講義では「高浜町らしさ」を地元の漁師や住民から聞き取り、自然や歴史、文化について学びながら、地域発展のための「地元学」を実践してきました。この活動を通じて、地域の資源を活用した持続可能な未来を模索しています。
今回の哲学パートでは、豊橋技術科学大学の岩内章太郎准教授が活躍し、高校生たちはその知見を元に、自分たちが感じたことを言葉を通じて表現していきます。哲学が持つ対話の特徴を活かし、意義ある問答を重ねることで深い理解に繋がることを目的としています。
確かな哲学の対話を通じた意見交換
イベントの初めに、高校生たちは「哲学対話」を行い、これまでの経験や思索を等身大の言葉で表現しました。岩内先生からは「答えを急がない」「どう思うかは自由」などのアドバイスがあり、高校生たちはそれぞれの視点から自由に意見を出し合いました。
たとえば、「なぜ人は海を守ろうとするのか?」という問いは、具体的な持続可能性や環境問題にまで言及した意見が多く出されました。人間が引き起こす問題や、自然が自己防衛のために人間を排除しようとする観点からの意見も含まれ、非常に興味深い討論が繰り広げられました。
高校生たちの成長と次回への期待
堀潤さんは、ジャーナリストとしての経験を生かし、仮説を立てて取材を進めるプロセスが如何に重要かを参加者に伝えました。また、岩内先生は、意見が異なることを受け入れることが社会を変える一歩になると強調し、次回への期待を述べました。
イベントに参加した高校生たちは、「ルールに縛られず、自由に意見を言える場は新鮮だった」と話し、哲学対話の重要性を実感したようです。
地域に根ざした活動の意義
このような「ざわザワ高校」の取り組みは、地域に密着した問題意識を持つ高校生たちが、海に対する理解を深めることに繋がります。福井環境研究開発が進める、海と日本プロジェクトの一環として、海を未来へ引き継ぐためのアクションが広がりつつあります。
参加している高校生の数は限られていますがこうした活動が、将来的には多くの子どもたちに影響を与え、海や自然に対する理解を深める要素となるでしょう。次回の「ざわザワ高校」では、今回の討論から生まれた問いをさらに深め、具体的な行動に繋げる意義ある時間が提供されます。