フェリクスの新たな挑戦
九州大学から誕生したスタートアップ株式会社フェリクスが、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)からの追加出資を受け、総額12.5億円の資金調達を成功させました。この資金は、リードパイプラインであるFLQ-101の米国での臨床試験に向けた重要なステップとなります。
フェリクスとは
福岡県久留米市に本社を置く株式会社フェリクスは、細胞死の一種であるフェロトーシスをターゲットに、独自の創薬スクリーニングプラットフォームを基にした新しい医療ソリューションを提供しようとしています。現在、FLQ-101は未熟児網膜症(ROP)対策の新薬として、米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定およびオーファンドラッグ指定を受けています。
資金調達の意義
今回の追加出資は、主に米国での臨床開発を加速させるためのものです。FLQ-101の治験は2025年の夏から開始される予定で、同治療薬が新生児ケアの分野でどのような役割を果たすか非常に期待されています。資金調達によって、フェリクスは臨床開発チームの強化や次世代のパイプラインとして加齢黄斑変性治療薬候補FLQ-105の開発にも当たります。
KIIの取り組み
慶應イノベーション・イニシアティブは、2015年に設立され、慶應義塾大学の研究成果を基にしたスタートアップを支援することを目的としています。近年は、デジタル技術と医療分野における課題解決を重視し、より広範な投資活動を展開しています。KIIは、日本の大学や研究機関の優れた技術や知的財産を社会に実装し、持続的なイノベーションエコシステムを構築することを目指しています。
今後の展望
フェリクスの今後の成長に向けた取り組みは、FLQ-101の治験だけでなく、次世代薬剤の研究開発にも及びます。KRITにおける資金調達は、同社が新たな治療薬を迅速に市場に投入するための第一歩であり、医療分野でのインパクトが期待されます。