親の財産把握、あなたはしていますか?~40~60代の実態調査結果から見えてきた親子の現状~
「親の財産は、自分には関係ない」そう思っていませんか?しかし、将来、親の介護や相続に直面したときに、親の財産状況が分からなければ、適切な対応が難しくなる可能性があります。
弁護士相談ポータルサイト「相続弁護士相談広場」を運営する株式会社Agooraが実施したアンケート調査によると、40~69歳の男女300人を対象に、親の財産を把握しているかを調査した結果、なんと全体の3分の1しか把握していませんでした。残りの3分の2は、自分の親がどんな財産を持っているのか、把握していないという現状が明らかになりました。
親の財産を把握するきっかけは?
では、親の財産を把握したきっかけは何だったのでしょうか?
最も多かったのは「親の終活や相続準備」(29%)でした。親が高齢になり、自分の死後について考え始めたことで、子どもに財産を伝えようとするケースが多いようです。
次いで多かったのが「親の病気・入院・認知症」(18%)でした。親の健康状態が悪化し、介護や今後の生活について考える必要が出てきたことで、財産状況を把握する必要性を感じたという声が多く聞かれました。
また、「親や親戚の死亡」(9%)をきっかけに、相続手続きを進めるために財産を把握したという人もいました。
親の反応は?
では、子どもが親の財産を把握しようとした際に、親はどのように反応したのでしょうか?
調査結果によると、76%の親が協力的な態度で対応したことがわかりました。親自身も、将来の相続について考えている人が多く、子どもに財産状況を伝えることに抵抗がないようです。
親の財産を把握して良かった点は?
親の財産を把握できたことで、多くの人が「将来に向けた安心感・不安軽減」を実感したようです。親の財産状況が分かれば、今後の生活設計や相続対策を立てる上で、より具体的な計画を立てやすくなるからです。
また、親の財産を整理・把握できたことで、親の安全・安心に繋がったという声もありました。親の財産状況が分かれば、万が一の際に必要なサポートをスムーズに行うことができます。
さらに、親の意思や考えを把握できたことで、親子間のコミュニケーションが深まったという声も聞かれました。財産について話すことは、親子の間でタブーとされがちですが、積極的に話し合うことで、お互いの気持ちを理解し、信頼関係を築くことができるようです。
親の財産を把握すべきか、意見は二分
一方で、親の財産を把握していない人は、今後把握したいと思うのでしょうか?
調査結果によると、「把握したい」と答えた人は35%、「把握したくない」と答えた人は39.5%と、意見はほぼ二分されました。
親の財産を把握することは、必ずしも楽なことではありません。親との関係性や親の性格によっては、デリケートな問題になる可能性もあります。しかし、親の財産状況を把握しておくことは、将来のトラブルを防ぎ、安心した生活を送るために必要なことと言えるでしょう。
親の財産について、考えてみよう
今回の調査結果から、親の財産を把握することは、決して他人事ではないことが分かります。親の年齢や健康状態、家族構成などを考慮し、自分にとって適切な対応を考えてみましょう。
親とのコミュニケーションを大切にし、将来に向けて安心できる準備を始めてみてはいかがでしょうか?